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アメリカイヌホオズキ Solanum americanum は、ナス科 Solanaceae 約90属2300種のうちの一属、ナス属1700種のうちの一種です。世界の熱帯から温帯に広く分布するイヌホオズキ Solanum nigrum と非常に良く似ていて、各地の道端に生え、都会の雑草としても繁茂しています。イヌホオズキとの違いは、花が花柄の一点からぱあっと広がるように出ることにあります。花は白が多いのですが、中には紫がかったものもあるようです。私は紫がかったものにお目にかかったことがありません。
ナズナ Capsella bursa-pastoris は、アブラナ科 Brassicaceae(Cruciferae) 約390属3200種のうちの一属、ナズナ属5種のうちの一種です。北半球の温帯に広く分布し、日本には麦とともに中国大陸から伝わった、史前帰化植物と思われる、とのこと(週間朝日百科「植物の世界」P6-217)。都会でもごく普通に見られる雑草の一つです。写真はナズナの花ですが、このようなつき方をする花を「総状花序」といいます。花一つ一つは白色で、花弁はアブラナ科の特徴である4枚で、十字形につきます。大きさは非常に小さく、直径は5mmあるかないかですね。写真では、この花の特徴がまずまず捉えられていると思います。花が小さいので、私のカメラでは接写するのが大変でした。
オランダミミナグサ Cerastium glomeratum は、ナデシコ科 Caryophyllaceae 70属約2000種のうちの一属、ミミナグサ属約60種のうちのひとつです。この属名をそのまま冠した"ミミナグサ" Cerastium fontanum ssp. trivialevar.angustifolium というのは、ながーい学名がついていますが、全世界で温帯を中心に見られる種で、5本の花柱(雌しべ)を持つことで知られています。
コセンダングサ Bidens pilosa は、キク科 Asteraceae のうちの一属、センダングサ属約240種のうちのひとつです。この属名をそのまま冠した"センダングサ" Bidens biternata というのは、アジア・アフリカの暖帯〜熱帯に広く分布し、日本では本州の関東以西から九州までの湿った土地に生えます。葉が、センダンの木の葉っぱに似ていることから、"センダングサ"と名づけられました。
ノゲシ Sonchus oleraceus は、キク科 Asteraceae のうちの一属、ノゲシ属約70種のうちのひとつです。どこが原産かはよくわかりませんが、ユーラシアの温帯から熱帯に広く分布するので、有史以前の時代に日本に入ってきた帰化植物かもしれないとのことです(週間朝日百科「世界の植物」P1-212より)。そのノゲシですが、昔は、ハルノノゲシと呼ばれていまして、今でも雑草の植物図鑑などに、「ハルノノゲシ」との名で記載されている場合があるようです。実は、春に勢いよく花を咲かせるのは確かにそうなのですが、秋から初冬にかけても花をつけます。これは、ノゲシの種からの発芽・成長の速度が非常に速いため、秋に発芽してそのまま成長し、花をつけることがあるからです。
イモカタバミ Oxalis articulata は、カタバミ科 Oxalidaceae 8属約930種のうちの一種で、カタバミ属約850種のうちのひとつです(カタバミ科の植物はカタバミ属の種で大半が占められているということになります)。南アメリカ原産の帰化植物で、現在はどこででも野草化して見られる植物となっています。カタバミ科の中でもなぜこんな名前がついたのかというと、根がイモ状になる(これを「塊茎」といいます)部分があるためです。なんだかこれも前回取り上げたハキダメギク同様、ぱっとしない名前ではありますが、こればっかりはしかたありませんね。でも、花は直径1-2cmと小さいですが、名前はともかく、どうしてどうして、なかなか風情のある紫色をしております。写真は、近所のコンクリートの割れ目に生えていたものを撮影したものです。花の真ん中に向かって、紫色が濃くなり、そして中心のおしべの葯(やく)が黄色になっているのがお分かりいただけると思います。これがイモカタバミの特徴です。似た種に、ムラサキカタバミ Oxalis corymbosa やベニカタバミ Oxalis brasiliensis がありますが、前者は花の中心が白から緑がかっており、葯が白色です。また後者は、花の直径が2.5cmと、イモカタバミの径1.5cmより一回り大きく、かつ花全体の色も濃い紅色といったほうがよい感じになります(葯は黄色です)。また、ベニカタバミは、葉に光沢がありますが、イモカタバミにはありません。こうした違いを頭にいれておけば、なんとか見分けがつくものと思われます。私も最初に写真を写したときは、「ああ、ムラサキカタバミだ〜」と思っていたのですが、後でよくよく調べてみると、イモカタバミだということが分かりました。なお、見分け方は、「ミニ雑草図鑑 - 雑草の見分け方」と「雑草博士入門 - たのしい自然観察」に簡単に解説してありますので、ご興味ございましたらそちらをどうぞご覧くださいませ。
ハキダメギク Galinsoga quadriradiata は、キク科 Asteraceae のうちの一種で、熱帯アメリカ原産の帰化植物です。なぜこんなおかしな名前がついたのかというと、日本の「近代植物分類学の父」といわれる故牧野富太郎博士が、ゴミを掃いているところにたまたま生えているのをみつけたところから、「掃き溜め菊」という名をつけた、ということらしい。なんだかぱっとしない名前ではありますが、「掃き溜め」に限らず、畑、道端、庭など、至る所に繁茂する、非常に性質の強い植物です。高さは10cmくらいから20cmくらいが多いようですが、図鑑によれば、高いものになると60cmにも達するものがあるようです(「ミニ雑草図鑑 - 雑草の見分け方」P104より)。夏から秋にかけて、直径5mmくらいの、米粒のような小さな花を咲かせます。よくこの花を観察してみると、キク科の特徴をそのまま表しており、真ん中に黄色い花びらのない頭状花が集まり、その周縁に5枚の白い舌状花が見られます。この5枚の白い舌状花は、それぞれ先端が3つに分かれていて、なんともかわいらしい花に見えます。こんな小さくてかわいい花に「ハキダメギク」という命名もないだろう、と思うのですが、大先生のつけた名前がそのまま通ってしまっているので私ごときが文句をいった所でどうにもなりはしません。
シロツメクサ Trifolium repens は、マメ科 Febaceae 約15属5500種という大きな科に属するシャジクソウ属 Trifolium 約250種のうちの一種で、ヨーロッパ原産の植物です。通称「クローバー」といわれ、一般に広く知られている草といえましょう。もとは江戸時代に、オランダ船の積んだ品物の間に詰める素材として、乾燥させたこの植物が使われていたので、「詰め草」という名がついたとされています。ヨーロッパではこの三枚の葉が、キリスト教の三位一体のシンボルとされ、まれに見られる四つ葉は、十字架に見立てられて、「幸運の護符」として大切にされた、とのこと。アイルランドでは「国花」なのだそうです(週間朝日百科「植物の世界」P5-18より)。今では日本全国で見られる帰化植物で、茎と葉に栄養分が多いため、牧草としても利用されています。牧草としての利用は、世界的に行われている模様です。
メマツヨイグサ Oenothera biennis は、アカバナ科 Onagraceae 約15属600種という小さい科に属するマツヨイグサ属 Oenothera 約120種のうちの一種です。もともと、マツヨイグサ Oenothera stricta やツキミソウ Oenothera tetraptera という中・南米の種が江戸年間に日本に渡来していましたが、明治に入り、同属のオオマツヨイグサ Oenothera glazioviana と本種メマツヨイグサが渡来し、観賞用として栽培され出したそうです(週間朝日百科「植物の世界」P4-205より)。メマツヨイグサは北米原産の種で、オオマツヨイグサが直径8cmに及ぶ大輪の花を咲かせるのに対し、花は二回りほど小さく、直径は3-4cm程度です。花の色は淡いレモン色。夕刻に花開き、翌日の朝にはしぼんでしまう、夜の花です。これは上記にご紹介した他の3種についても同様です。
ハイキンポウゲ・"ゴールド・コイン" Ranunculas repens "Gold Coin" は、キンポウゲ科 Ranunculaceae 約58属3,000種のうちのキンポウゲ属 Ranunculas の一種です。キンポウゲというのは、いろいろとその名について諸説あるようですが、私の持っている「週間朝日百科「植物の世界」によれば、キンポウゲは学名を Ranunculas japonicus (ラヌンクルス・ヤポニクス)といい、葉が馬のひづめ(馬蹄)の形に似ているために、「ウマノアシガタ」という別名があるとのことです。そして、もともとキンポウゲという名前は、この植物の八重咲き品種に付けられたものだということです(P8-267)。キンポウゲは高さ30-60cmの多年草で、茎が立ち上がりますが、左の写真はハイキンポウゲの中でも、"ゴールド・コイン"と呼ばれる園芸品種で、、その名の通り、茎が地面を這い、その茎で株を増やして群生し、直径1cmくらいの小さな黄色くて丸い洋服のボタンのような、あるいは小さなコインのような、八重の花を直立した花茎につけます。ゴールド・コインと呼ばれる意味が分かるような気がしますね。このハイキンポウゲとゴールド・コインという園芸品種の関係については、いろいろ調べて見たのですが、確実なことはわかりませんでした。インターネットでもまちまちの説明がなされています。この辺の分類について、どなたか分類学に詳しい方、ぜひe-mailで教えていただければ幸いです。
コヒルガオ Calystegia hederacea は、ヒルガオ科 Concoluvulaceae 約55属1,500種のうちのヒルガオ属 Calystegia の一種です。同じヒルガオ科の代表花であるヒルガオ Calystegia japonica と、花はほとんど同じに見えますが、少し小さく、かつ葉の形がかなり異なりますので、葉の形を覚えれば見分けは容易につきます。
クラウン・ベッチは、蓮華草(ゲンゲ)の花に似て、少し淡い紫がかったピンクの花を咲かせる夏の植物。もとは欧州原産の帰化植物で、いろいろなところに溢出して、自然のグラウンドカバーを作っています。小金井市でもちょっと空き地があると、これが繁茂している姿を目にすることができます。左の写真は中町のホームセンター近くの路肩で発見した株を撮影したものです。
セイヨウタンポポ Taraxacum Officinale は、キク科 Asteraceae 約1200属23,000種のうちの一属、タンポポ属 Taraxacum 約2000種のうちの一種です。春になると真っ先にこの割合大きめの黄色に光り輝く花が朝に咲いているのを横目に見ながら、通勤・通学することになります。私も春になるとセイヨウタンポポを見つけては、「あぁ、また春になったなぁ」と、なんだか感慨深いものがあります。写真のタンポポは、小金井市でごく普通に見られる(というか、関東地方の都市部でよく見られるといった方が適切でしょうか)セイヨウタンポポの一つを写真に撮ったものです。
ムラサキハナナ Orychophragmus violaceus は、アブラナ科 Brassicaceae(Cruciferae) 約390属3200種のうちの一属、ムラサキハナナ属2種のうちの一種です。中国では「諸葛菜」と呼ばれて、観賞用及び若芽を食用とし、日本でも「ショカツサイ」として古くから親しまれてきました。オオアラセイトウという別名もあります。3月から4月にかけて、良く目立つ紫色の十字状の花(径約4-5cm)を多数つけます。十字状の四弁花は、アブラナ科の植物の特徴で、ムラサキハナナもその例に漏れず、十字状の四弁花を有します。小金井市でも、いたる所にこの野生化したものが見られます。
コハコベ Stellaria media は、ナデシコ科 Caryophyllaceae 約70属2000種のうちの一属、ハコベ属約120種のうちの一種です。日本では、「春の七草」の「はこべら」として、万葉の昔から親しまれてきました。「ハコベ」というと、誰でも一度は耳にしたことのある名前だと思いますが、「ハコベ」というのは属名で、そういう名前の植物はありません。大体、「ハコベ」と言う場合、この写真の「コハコベ」か、「ミドリハコベ」「ウシハコベ」などを指します。
ツユクサ Commelina communis は、ツユクサ科 Commelinaceae 約40属650種のうちの一属、ツユクサ属約170種のうちの一種です。花は、左の写真の通り、きれいな青色をした二枚の花弁と一枚の白っぽい、目立たない花弁からなる"三弁花"で、朝に咲いて夕方にはしぼむ、短命な花です。6月の梅雨時の朝に、雨に濡れて花を咲かせている姿は、通勤時に一時の清涼感を与えてくれ、私が大好きな野草の花の一つです。花は特に梅雨時に限って見られるというわけではなく、9月から10月に至るまで見ることができます。これが群生している咲き誇っている姿は一見に値します。
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum は、ナス科 Solanaceae 約90属約2,300種のうちの一属、ナス属1,700種のうちの一種です。名前は、"ヒヨドリ上戸"からで、この実をヒヨドリが好んで食べていくことにちなんだものだとか。実は赤色で、小さなトマトを連想させます。
ヘクソカズラ Paederia scandens は、アカネ科 Rubiaceae 約500属約6,000種のうちの一属、ヘクソカズラ属の代表種です。名前は、"屁糞蔓"からで、ご想像の通り、大変臭いにおいがします。葉を揉んだり割いたりすると、そのくささがよくわかります。どうくさいかって、そうですね、本当に屁をしたようなにおいなんです。正直言って強烈です。この属のラテン語名も、「汚物」の意味なんだそうです(週間朝日百科「植物の世界」P2-26より)。
ママコノシリヌグイ Persicaria senticosa は、タデ科 Polygonaceae 45属約1,000種のうちの一種で、イヌタデ属に分類されます。イヌタデ属は、日本には約30種が自生するそうで、このママコノシリヌグイもそのうちの一つ。なんでこんなおかしな名前がついているのか? と思われるかも知れませんが、この植物は茎と、葉柄に非常にとがった強い棘を持っていて、ひょいと触れようものなら「うわっ、痛い!!」ということになってしまうのです。左の写真からも、茎に棘があることがお分かりかと思います。そこで、継母が(小憎らしい)継子の尻をぬぐうのにこの葉を用いる、という連想から、この名前がつけられたものと察せられます。いや、とにかく痛いので、これが群生している中を半ズボンでは歩けません。ましてや、こんなもので尻をぬぐられてはたまったものではありません。
ヤマノイモ Dioscorea japonica は、ヤマノイモ科 Dioscoreaceae 8属約630種のうちの一種です。ヤマノイモ科のうち95%はヤマノイモ属に属していますが、栄養分を地下のデンプンを蓄える植物で、食用になるものが多く、ヒトの祖先にとって重要な食料源だったと思われるとのこと。栽培種も15種が知られているそうです(週間朝日百科「植物の世界」P9-260より)。
カナムグラ Humulus japonicus は、アサ科 Cannabaceae 2属3種のうちの一種です。アサ科は小さな科ですが、その一種であるアサ Cannabis sativa は、つまり「大麻」のことで、日本では"大麻取締法"で栽培も所持も禁止されています。
クズ Pueraria lobataはマメ科Fabaceaeの一種です。線路脇の土手などの荒れ地に、大群落を作りますので、その姿を目にしながら通勤していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
写真は、アメリカイヌホオズキの花の写真。上述の特徴がおわかりいただけると思います。直径わずか1cm、花弁が反り返ります。

このアメリカイヌホオズキの花の写真をもう一枚掲載します。なかなか小さいながらも存在感のある花ではないかなあと思います。

この写真は、アメリカイヌホオズキの実の写真。直径1cmに満たない小さなものですが、同じナス科のトマトとよくにていますよね〜 これがもうすこし熟すと、黒く光沢を放つようになるんです。その写真もあとで載せますね〜

アメリカイヌホオズキの葉。非常に薄く、しなしなした、ちょっとたよりない感じのする感じのする葉です。長さは約数センチと、わりと小さいですね。特徴のある形をしているので、ちょっと目にもかなり気づくことのできる植物です。花が咲いていればなお、見つけやすい植物だと思います。

最後にまた花の写真をどうぞ。なかなか接写してとれませんでしたが、この辺でおゆるしいただきたいと思います。もう少し接写の腕を磨きたいと思います。
ナズナ Capsella bursa-pastoris 2009/06/08

このナズナですが、七草粥として、おかゆの中に入れて正月七日に食べる行事は、万病を除く厄除けとして、すでに平安時代にはあったようです。初めはスープ状にしたらしいが江戸時代になって、今の七草粥の形がととのった模様です。ナズナ売りが江戸の町を歩いていた情景を歌った川柳、「なずな売り 元はただだと 値切られる」というのがいまだに現代に語り継がれているほど、生活に密着した植物だといえましょう。中国では冬のロゼット葉を炒め物にするそうです。これは固くて食べられないじゃないかいな〜と思ってしまいますが、そこは中国、なんでも料理にして食べてしまうんですねえ。
左の写真は、ナズナの葉を撮影したもの。写真中心の一枚の葉が、茎を抱いている様子が分かります。一方で、茎を抱いているようには見えない葉もありますね。私は気をつけて観察していなかったので、茎を抱くのがほんとなのか、そうではないのか、今度図鑑で確かめてみたいと思います。なお、この葉は茎につく小さい葉で、冬のロゼット葉とはまったく異なりますので、これを料理に使うことはまずないでしょう。なにしろ量が少ないですからね...また、漢方では全草を利尿、止血に用いるのだそうです(同6-218)。
この写真は、ナズナの逆三角形の果実がよく見えるように撮影したものです。この果実をみれば、どなかでも、「あ、ぺんぺん草だ」と思われることでしょう。この果実を三味線のばちに見立てて、「ぺんぺん草」とよく言うわけです。この果実を、茎に沿って薄くはがし、お互いに絡ませて降ると、「カラカラ」というなんともいえない涼しい音がします。子供の頃に、よくこうやって遊んだ覚えがあります。懐かしいですね。
最後に、二枚、ナズナの咲いている原っぱの全景写真をどうぞ。一面ナズナで埋め尽くされているという感じではありませんが、まずまずよく生えていると思います。下の一枚は、真上からナズナの群生を取った写真。なんだか花が、ふわっとした雪のようにも見えます。「よくみれば なずな花咲く 垣ねかな」と芭蕉は句によんだそうです。目立たないながらも、早春を彩る、主張の強い花。この花が咲くと、ああ春がきたなあ、としみじみ実感しますね〜〜。

オランダミミナグサ Cerastium glomeratum 2009/03/11

残念ながら、この種は、現在東京の都会ではほとんど見かけることがないとのこと(週間朝日百科「植物の世界」P7-247)。代わりに、ヨーロッパ原産の帰化植物であるオランダミミナグサが、都会の地べたに張り付くようにして生育しているのをよく見かけます。
ここで取り上げたオランダミミナグサは、よくみかける雑草の一つ。明るい緑色の葉で、葉は先がとがり、ミミナグサ同様、形がねずみの耳に似ていることから、この名がついたようです。葉の長さは約1cmと小さく、対生します。また、茎も含めて全体に毛が多く生えていて、触るとなんとなくしんなりとして、ちょっとベトつくような感触があります(特にベトつくような液を出しているわけではありませんが)。
ここに掲げたのは花の写真です。花は春から秋まで咲き、直径約5mmくらいと、これも小さいものですが、真っ白なので、下を見て歩いていると、割と人目を引きます。花びらは綺麗に放射状に5枚あり、先端に少し切れ込みか入ります。春先に咲くハコベは切れ込みが深く、花びらが10枚のように見えるので、この点で、ハコベと違いが見分けられます。写真では、雄しべ・雌しべともにピントが多少ずれています。というか、写真機の解像度の問題です。なにしろ古いデジカメを使ってますんで...ただ、葉に毛が生えている様子は、ある程度この写真からおわかりいただけるかと思います。

左の写真は、オランダミミナグサをもう少し離れた位置から撮影したものです。目を30cmくらいまで近づけてみると、だいたいこんな風に見えます。花は茎の先に密集して着きますが、一つから二つずつくらいの割合で咲いていくようで、全体がこんもりと咲いている姿は、私は見たことがありません。

これらの写真は、オランダミミナグサの蕾を写した写真です。もう今まさに咲かんとしています。茎の先端に密集して蕾がついていますね。
オランダミミナグサは開花前に自家受粉し、劣悪な環境でも高さ1cmくらいで花をつけるなど、ミミナグサよりも種子の生産性が高いことが、その生育範囲を広げている要因であるとのことです(同P7-2481より)。なるほど、花が開く前にもう自家受粉してしまうんですね〜 でもそれって、種の保存のためにはマイナスなんじゃないですかねえ。いや、だからこそ、種子の生産性を高めることで、種の保存を図っているのでしょうが...オランダミミナグサを観察していると、いろいろと雑草にも生き残る知恵があるのだなあと思わずにはいられません...
最後に、オランダミミナグサの沢山咲いているところの写真を...と思ったのですが、いい写真が撮れませんでした。また今度とれたらアップしたいと思います〜 失礼いたしました〜
コセンダングサ Bidens pilosa 2009/01/07

ではここで取り上げた"コセンダングサ"とは何か。これもセンダングサの仲間なのですが、センダングサよりも葉が一回り小型で、2回羽状複葉になる点がセンダングサと異なります。センダングサは、単純な(1回)羽状複葉です。生えている場所も、よく道端などで見かけるもので、特に湿り気の多い場所に生えているというわけではありません。また、これとよく似たものに、"アメリカセンダングサ" Bidens frondosa というのもありますが、これは葉が、センダングサと同じく単純な羽状複葉ですので、この点でコセンダングサと見分けがつきます。
左はコセンダングサの花です。黄色で、丸い、洋服のボタンのような形をしてますね。これは、実は沢山の花びらの集まりでして、しかも普通の花に見られる平たい花弁とは異なり、"管状"をした花の集合体なのです。
ひまわりの花を思い起こしてください。中心に、種のできる濃い黄色の丸い部分があって(これを管状花といいます)、その周りに、平たい、やや薄い黄色をした花弁(これを舌状花といいます)が取り巻いていますよね。コセンダングサの花は、このひまわりの花の、中心部の丸い部分、すなわち管状花だけでできているのです。平たい花弁 = 舌状花はありません。だから、洋服の丸いボタンのような形の花になっているのです。もしこの花の周りに、平たい舌状花があれば、それこそ見栄えのする綺麗な花になっていたでしょうが、自然はなぜかそういうふうにはコセンダングサを造りませんでした。コセンダングサの花は、この写真のような、地味〜な、小さい丸い花で生涯を終えるのです。ちなみにこの花の大きさは直径1cm弱です。

左の写真は、コセンダングサ花を、斜め横から撮影したものです。なお、センダングサは、薄い黄色の舌状花をつけますが、コセンダングサは通常は舌状花をつけませんので、この点でも、コセンダングサと見分けがつきます。また、白い舌状花をつける、シロノセンダングサというのもあります。コセンダングサにもまれに白い小さな舌状花が見られることがありますが、一般的には舌状花はありません。

これらの3枚の写真は、このセンダングサの実の写真を左から成長順に撮ったもの。コセンダングサの実は、最初、左側の写真のように閉じた状態でできるのですが、成熟するにしたがって、ぱあっと丸く開き、右側の写真のようなとげとげのボールのような形になっていきます。この実は、先端が非常に毛羽立っていて、洋服などにくっつきます。動物にくっついて種を運んでもらうための「しかけ」なのですね。植物とはつくづく面白いなあと思います。
左の写真は、コセンダングサのつぼみと葉のようすです。密集して花(正確には管状花)をつけるようすが、おわかりいただけるかと思います。葉は、縁に鋸歯(切れ込み)が入ります。小葉一枚の長さは、数センチほどと、小ぶりです。
最後にコセンダングサの全景写真をどうぞ。家の近くの小路に、ひしめき合うようにして花や実をつけていました。あまり全景写真といっても、もともとが貧相な感じの花なので、迫力のある写真にはなりがたいのですが、それでもこうやって見てみると、野草には野草の世界があるのだなあ、という印象がして、感慨深いものがあります。関東以西ではちょうど今頃、花や実をつけていますので、皆様の中にはもうどこかですでにコセンダングサを目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。この花と実が終わるころには、1月の真冬の寒さが到来する時期となります。(了)
ノゲシ(ハルノノゲシ) Sonchus oleraceus 2008/12/27

写真のものは、小金井・中町のある造園業者のお宅の庭が掘り返されて半ば裸になっているところに、ノゲシが咲いた様子をところを撮影したものです。ノゲシは、他の植物が繁殖しているところよりも、裸の土地でまっさきに成長する植物のひとつとしてよく知られています。そういう植物を「放浪植物」と呼びますが、これは、裸の土地から裸の土地へと移り住んでいくように見えることからそう呼ばれているようです。ノゲシは花をつけたのち、かわいい綿毛をつけますが、その綿毛にのって種が遠くまで風で運ばれ、裸の土地で生えるのをじっと待っている、というわけです。この写真のノゲシも、去年はまったくこの場所には見当たりませんでしたが、造園業者が土を掘り返しまして、一時期植物のない完全な裸の土地になったため、おそらくそのタイミングを狙って生えてきたのではないかと想像されます。
左の写真は、このノゲシの葉を撮影したものです。よく似た種にオニノゲシ Sonchus Asper というのがありまして、ほとんどノゲシとそっくりの形をした花をつけますが、葉を見れば、その違いがわかります。ノゲシもオニノゲシも、葉は縁がとげ状になっていますが、ノゲシの葉は触れてもやわらかで痛くないのに対し、オニノゲシの葉は触れると硬くて痛いのです。また、葉は茎を抱くようにして生えていますが、葉の付け根がオニノゲシでは人の耳たぶのようにぐるっと丸くなるのに対して、ノゲシはオニノゲシほど目立つ耳たぶのようにはなりません。写真のものでは、中心の葉脈が紫色を呈していますね。これも、図鑑ではオニノゲシの中心葉脈は緑色をしており、紫色のものは見たことがありませんので、たぶん、これもノゲシとオニノゲシの見分け方法のひとつとして使えるのではないかと思います(違っていたら申し訳ありません)。いずれにせよ、とげとげした葉をしてますね。実はやわらかいんですよ〜
左の写真は、ノゲシのつぼみです。一箇所に密集して花(正確には頭花といいます)をつけますが、そのまさに花開かんとする前の様子がよくおわかりいただることと思います。つぼみも相当とげとげしてますね〜 なんだかサボテンを想像してしまいます〜
左の写真は、このノゲシの綿毛です。とても密についていて、私はこれを見ると、昔、耳かきの先についていた丸い綿のことを想像してしまいます。ふっと息を吹きかけると、ぱあっと飛んでいき、なかなか地面に落ちません。ノゲシが「放浪植物」であることの秘密が、この綿毛にあるわけです。セイヨウタンポポの綿毛の4分の1くらいの大きさの小さな綿毛ですが、私はこの綿毛の姿がかわいらしくてとても好きです。
最後にノゲシの全景写真をどうぞ... といいたいところですが、全景写真になっていませんね。葉をファインダーの中に入れるのをうっかり忘れていました〜 申し訳ありません。
ノゲシは群生している場合もありますが、この写真では一株がひっそりと生えていました。周囲が荒地であることもお分かりいただけるかと思います。このように、集団でなくても、荒地で発芽して育つことができるのがノゲシの強さですね(これはセイヨウタンポポも同じですが...)。この初冬の寒さにも絶えて、じっと咲いている姿がとても印象的でした。最近は地球温暖化のせいもあるのか、東京・小金井市では、この12月になってもまだノゲシが花を咲かせています。いつまで咲き続けるのか、今後も見守っていきたいと思っています。(了)
イモカタバミ Oxalis articulata 2008/12/15

このイモカタバミは、5月と11月の年二回、花が咲きます。今回撮ったこの写真は、11月下旬のもの。もう木枯らしが吹いているときだったのですが、まだコンクリートの隙間から可憐な花を咲かせていました。
ちなみに、学名の「オクサリス」とは、この種が「オキザリス」ともいわれるもとになっていますが、ギリシャ語の「酸っぱい」(oxys)に由来し、葉をかむといずれの種も酸っぱいことからきているとのことです(週間朝日百科「世界の植物」P3-171より)。
また、カタバミ科には、食べられるフルーツとして、「スターフルーツ」(和名「ゴレンシ」、学名 Averrhoa carambola )があります。これはイモカタバミのように草ではなく、木になるもので、あまり日本ではなじみがありませんが、私がアメリカに住んでいる時にはこの実を、どこのスーパーでも山積みにして実を売っていました。この実を切ると断面が星型になるので、スターフルーツといわれているようです。味はマイルドな酸っぱさだったように記憶しています。
左の写真は、このイモカタバミの葉を撮ったものです。葉はカタバミの特徴で、ハート型の小さい葉(小葉)が三つ固まってつく、三出葉という形をしています。ようするに、三つ葉、ということです。ただし、形は似ていますが、クローバーとは全然違う科の植物です。クローバーについては先に写真を載せましたので、そちらをご覧くださいませ。こちらです→クローバー(シロツメクサ) クローバーには時々四つ葉のものがあり、幸運の守り札とされていますが、カタバミ属の植物には四葉はめったにみられない、という話をどこかで聞きました。ほんとうでしょぅか。今度時間があるときに、四つ葉のカタバミ属の植物を探してみたいと思います。 ベニカタバミとは違って、葉に光沢はありません。
左の写真は、このイモカタバミの全景です。地上約10cmのところから撮影しました。かわいらしい小さな、ピンク色の花が、いくつも咲いていますね。よくこんなコンクリートの割れ目などに生えられるものだと、その点は自然の凄さを実感します。この花が終わると、完全に季節は冬に突入することになります。(了)
ハキダメギク Galinsoga quadriradiata 2008/11/01

左の写真は、近所の街路沿いに生えていたものを写真に収めたものです。かわいい花を、とくとごらんくださいませ。この花が見られなくなると、秋も終わりが近い時節となります。
左の写真は、このハキダメギクの葉と茎を撮ったもの。葉は対生で、若葉は細長く先がとがり、粗い鋸歯(きょし = ぎざぎざ)があります。また、全体的に短い毛で覆われています。茎は途中で何回か2つに分かれつつ、上方に伸びてゆきます。茎にもめだった毛が生えています。葉の形状と、葉が対生であること、茎にめだった毛があること、そして上記の花の特徴を憶えていれば、まず間違えることはありません。似ているものに「コゴメギク」 Galinsoga parviflora というのがありますが、成長した葉がもっと幅広く、茎に毛が少ないことで、見分けが付きます。
左の写真は、ハキダメギクが沢山さいている所を写真に収めたものです。かわいらしい小さな花で一杯です。歩道脇に生えていたのですが、そんなところにも育つ、たくましい植物です。写真を撮りながら、秋をひしひしと感じた一時でした。(了)
シロツメクサ(クローバー) Trifolium repens 2008/09/15

茎は地上を這い、節々から葉と花の茎が立ち上がります。花は白色で、多数が集まって丸い総状花序となります。左に写真は、近所の公園に咲いていたところを撮影したものです。このクローバーは春とともに現れ、これがだんだんなくなるころには、もう秋も深まった時節となります。
左の写真は、このシロツメクサの葉を撮ったもの。緑色の地に白い斑紋が現れます。葉の一つ一つ(小葉)は、先が丸く、基部は楔形をしています。カタバミなどは同じような三つ葉をしていますが、小葉の先がハート型になりますし、白い斑紋もありませんので、葉だけでも見分けは容易です。幸運の護符、四葉のクローバーを探してみましたが、ちょっと探しただけでは見つかりませんでした。かなり時間をかけて探さないと見つからないようですね。

左の写真はこのシロツメクサがはびこっている場所を撮影したもの。もう少し広く、密に咲いていれば壮観なのでしょうが、そういう場所にはお目にかかれませんでした。また今度そういう場所を探して写真をアップしたいと思います。小学2年生くらいの時に、シロツメクサを摘んで花輪を作った記憶があります。もう昔のこととて、作り方は忘れてしまいましたが...見るたびに子供の頃を思い出させてくれる植物です。(了)
メマツヨイグサ Oenothera biennis 2008/09/07

写真の株は、JR中央線の高架化作業場の脇に野生化して咲いていた姿を捉えたものです。高さは1mくらいでしょうか。条件がよければ2mくらいまで丈を伸ばすそうです。メマツヨイグサはオオマツヨイグサと並んで、非常に繁殖力が強く、全国で野生化・雑草化しています。
左の写真は、このメマツヨイグサの花を上から撮ったもの。黄色があざやかですね。英語では、マツヨイグサ属の夕方に咲く花のことを、サクラソウの夕方に咲くもの、という意味で、「イブニング・プリムローズ」(evening primrose) と呼ぶそうです(前出P4-204)。東京・小金井市では、オシロイバナとともに初秋の夕暮れを飾る花の一つとなっています。

左の写真はこのメマツヨイグサの葉と茎を撮影したものです。葉は互生で、縦に長く舟型をしており、中央の葉脈が白く見えます。また、縁にはわずかに鋸歯があり、波うちます。また、茎には毛がほとんど生えていません。この点を頭に入れておくと、似たような雑草(開花前のオオアレチノギクやヒメムカシヨモギなど)との区別ができることでしょう。こんどはマツヨイグサ属の他の種がどこかに咲いていないか、探してみたいと思います。(了)
ハイキンポウゲ(ヤエキンポウゲ)"ゴールド・コイン" Ranunculas repens "Gold Coin" 2008/08/31

なお、キンポウゲ属の花は黄色がほとんどなのですが、この黄色は日光に反射してきらきらと輝くような艶を呈します。そのため、キンポウゲ属をまとめて、英語ではバター・カップ Butter Cup と呼ぶとのこと(前出)。これは、花弁の表層の下にでんぷんを含んだ細胞の層があり、これが太陽光線を乱反射するから、とのことでした。"ゴールド・コイン"は
小さいながらも黄色の花弁が、とても美しく、人目を引く植物です。この写真は、小金井市東町のあるお宅の門の前で、半ば野生化しているものを撮影したものです。
左の写真は、この"ゴールド・コイン"の葉を撮影したもの。雨が降っていたので、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、茎の一点に三つの小さな葉が付く形をしています。ちょっとキンポウゲの別名「ウマノアシガタ」という言葉は想像できない葉ですね(種類が違いますから当然かもしれませんが)...

最後に、この"ゴールド・コイン"の群生している写真をどうぞ。もう少し写真のピントがあっていれば綺麗な写真になったのでしょうが... 来年また挑戦してみたいと思います。これだけゴールドコインが群生しているというのも珍しい光景ですね。公道にはみ出して群生していたので、道を歩いていて非常に目を引かれました。私自身も、じっくりこの花を栽培してみたいなと思わせるような美しい花でした。キンポウゲは、もともと春に咲く花で、このゴールドコインは6月に咲いていたものですが、まだこの8月になっても、ぽつぽつと花を咲かせています。結構花期が長いのですね〜 来春にはキンポウゲ自体を探してみたいと思います。(了)
コヒルガオ Calystegia hederacea 2008/08/10

ヒルガオやコヒルガオは、アサガオ Ipomoea nil や、ヨルガオ Ipomoea alba などと異なり、一日中花が咲き続ける一日花で、暑い夏の盛りによく雑草として、アサガオとよく似た形の、淡いピンク色の花を咲かせます。万葉の時代には「かほばな」と呼ばれ、松尾芭蕉には「ひるがほに 米つき涼む あはれなり」という句があります。アサガオと同様、つるを伸ばして他のものに絡みつき、どんどん成長して夏に花をつけます。花は一日でしぼみますが、他の花がどんどん咲きますので、いつみても新しい花が咲いていることになります。写真のものは、小金井市本町のある道路沿いの、カナメモチの植え込みの中に、雑草化して成長し、花をつけていたところを撮影したものです。

左の写真は、コヒルガオの花を真上に近い方向から撮影したもの。虫媒花で、ハチや蝶が飛んできては花粉を媒介します。まん丸というよりは、すこし角張った感じがする花です。これに対し、ヒルガオの花は(図鑑によれば)アサガオのようにまん丸に開くようです。

左の写真は、コヒルガオの葉の様子です。葉の基部が、横に出っ張り、翼のようになっています。ヒルガオはこうはなりませんで、かなりスマートな矢じり型になります。また、葉の大きさもコヒルガオの方が一回り小さくなっています。この形をよーく観察して頭にいれておけば、両者の見分けはすぐにつくようになりましょう。ただ、私が市内を歩いていて、ヒルガオを見かけた機会はいままでのところありません。全部コヒルガオでした。なぜなのかは不明です。なお、ヒルガオは種ではなく、地中の根を伸ばして株を増やしていくのが普通です。

最後に、高層マンションをバックに、街中でたくましく咲くコヒルガオのペアをどうぞ。ヒルガオ属には他に、ハマヒルガオ Calystegia soldanella があり、日本各地の海浜に自生しています。私は小学生時代に、国語の時間に、ハマヒルガオという植物があることをはじめて知りました。私が憶えている限り、学校で教えてもらった最初の植物でした。
なお、このヒルガオ、コヒルガオ、ハマヒルガオは、日本固有種です。帰化植物としては、セイヨウヒルガオ Calystegia arvensis というのがあり、よく乾燥した土地に見られるということです。私自身はセイヨウヒルガオを見たことはありません。今度ヒルガオとともに、よく探して見たいと思います。(了)
クラウン・ベッチ(タマザキクサフジ) Crown Vetch / Coronilla/Securigera varia 2008/05/27

クラウン・ベッチは園芸名として良く使われる名前で、英語ではtrailing crownvetch(トレイリング・クラウンベッチ)と呼ばれているようです。和名もタマザキクサフジという名がありますが、図鑑で使われてはいるものの、この名はクラウン・ベッチほど世間では通用していないようです。
クラウン・ベッチ Coronilla varia/Securigera varia は、マメ科 Febaceae 約455属17,000種のうちの一属、コロニラ属 Cronilla 属またはセクリゲラ属 Securigera のうちの一種です。実は、この植物、コロニラ属なのかセクリゲラ属なのか、一体どちらなのかが私にはまだよくわかりません。というのは、種小名( "varia" )は同じなのに、本によって属が違うのです。園芸品種としていろいろ調べていくと、最後にコロニラ属に行き着くのですが、帰化植物辞典などの辞典類を調べてみる、どうしてもセクリゲラ属に行き当たってしまうのです。とういことは、分類学上、どちらに分類するかまだ勝負がついていないか、それとも学術的にはもうセクリゲラ属で決着しているが、園芸品種として流通する段階ではまだ学名が浸透しておらず、コロニラ属という名前がそのまま使われてしまっているか、どちらかではないか。そこで、いろいろウェブをあさってみると、米農務省 US Department of Agriculture のサイトで、 Cronilla と Securigera とは "synonym"(synonumとは、植物分類学上、一つの種に対して複数の学名が認められているということを意味します)であるということが書かれていました。果たしてそういう理解で本当にいいのかどうか... また時間のあるときにこの二つの名前がどういう関係にあるのか、追求してみたいと思います。

左の写真は、この株を真上から撮影したもの。葉の特徴がよくお分かりいただけることと存じます。葉はマメ科の植物の一つの典型的な形をしていて、羽状複葉となります。長さは一つの葉の長さは大体10〜20cm、小葉は楕円形で長さは約1〜2cm。同じマメ科で、よく雑草として目にするカラスノエンドウやスズメノエンドウの葉に非常によく似ています。
左の写真は、この小葉が折りたたまれていて、これから開こうとする直前の姿を撮影したもの。なんだか閉じたアコーディオンのような感じですね。これがぐっと開いて、大きな葉に展開していきます。

家に持ってきて花瓶(トールグラス)にオリヅルランと一緒に活けてみました。(活け方の下手さはご勘弁を。) この植物は、折り取ると2〜3分で萎れてしまうので、水を入れたPETボトルに入れて持ち帰りました。この植物は他の植物に巻きつく完全なつる性の植物ではありませんが、1mものつるを長く伸ばして匍匐または斜め上に立ち上がりますので、その体をを支えるに必要な水分も相当な量になり、水を運ぶ「導管」もかなり太いのではないかと察せられます。折り取ると水分補給がその時点で絶たれるわけですが、この植物はすぐに残った水分を消費してしまい、その結果、2〜3分と短い時間で萎れてしまうのだと想像できます。
最後に群生写真をどうぞ...といいたいところですが、撮るのを忘れてしまいました!! あまり広い場所に広がって生えていたわけではありませんが、大体5m四方くらいの面積にびっしりと生えていました。近日中にもう一度現場にいって写真を撮ってアップします。
ちなみにこの植物は非常に剛健で生育が旺盛なため、アメリカでは農場をあっというまに席巻して農作物を枯らしてしまう植物として、有害視されているようです。アメリカの農務省も、この植物の生息範囲と農産物への影響を監視しているようです(→米農務省のサイトはこちら→ "PLANTS Profile - Securigera varia" へどうぞ)。姿は美しくても、その実、人にとって有害だなんて、どうして自然の摂理はそのようないたずらをするのか。不思議だなあと思う私でした。(了)
セイヨウタンポポ Taraxacum Officinale 2008/05/27

セイヨウタンポポは、もとは欧州原産のタンポポですが、日本には明治期に入って来たとされる帰化植物。以来、その旺盛な繁殖力で、都会では在来の関東タンポポ等を追い出し、もう東京ではタンポポといえばセイヨウタンポポのことをさすほどまでに生息範囲を広げています。なぜ帰化植物のセイヨウタンポポが在来のタンポポを駆逐してしまったのか、については、田中修著「雑草のはなし」(中公新書)で触れられていますので、ここでは詳しくは書きませんが、いろいろ説を総合してみると、在来種のタンポポが異なる株の花粉を用いて受粉しなければ種を結ばないのに対して、セイヨウタンポポは自分の雄しべの花粉を自分の雌しべにくっつけて種を作る"自家受粉"が可能であるため、セイヨウタンポポは繁殖に大きなコロニーを必要としない(極端には一株だけでも種を作って繁殖できる)こと、セイヨウタンポポの種の重さは在来種の種の重さの半分と極めて軽く、風にのって良く飛ぶこと、発芽温度帯も広いこと、夏に在来種は休眠するのに対し、セイヨウタンポポは休眠しないで成長を続けること、などが挙げられるようです。つまり、在来種のタンポポというのは、大きな群れ(コロニー)を作る必要がありますが、都市の市街地ではそういう広い土地が少なく、一株でも繁殖できるセイヨウタンポポが"結果として"はびこった、ということのようです。人間による"都市化"が、植生にまで影響を及ぼしているということの一例なのでしょうね。
花はキク科の花の特徴を良く現していて、舌状花の集合体となっています。黄色の舌状の花弁一つ一つが花で、それが集まって一つの"頭花"(とうか)を成しているのです。この花弁一つ一つに種が一つずつできます。

左の写真は舗装道路脇のセイヨウタンポポ。こんなコンクリートの塀とアスファルトの僅かな隙間にもどんどん生えてきて、綺麗な花を咲かせます。先に述べたセイヨウタンポポの特質がおわかりいただけるかと思います。日本の在来種ではなかなかこんな場所には生えてこないことでしょう。
葉はするどい切れ込みのある、かなり肉厚な葉です。属名のTaraxacumは、アラビア語の「苦い菜」に由来し、葉を噛むと苦味があることからこの属名が付けられました。キリストの宗教画の足元に、よくタンポポが描かれているんだそうですが、それはこのタンポポの葉の苦味が「受難」を象徴しているのだということが書いてありました(週間朝日百科「世界の植物」P1-206より)。私は実際にこのタンポポの葉を噛んでみたことはありません。今度噛んでみます〜

セイヨウタンポポは、頭花の下についている「がく」が反り返っているのに対し、在来種は「がく」が反り返りませんので、花をすこし寝かせて「がく」を見てみるとすぐに見分けがつきます。

セイヨウタンポポの綿毛。種は一つの花茎に200個以上が見事に丸くつきます。よく子供の時にこれを摘んでは"ふうっ"と吹き飛ばして遊んだものでした。子供心をくすぐる、かわいい綿毛ですね。これが、風にのって出来るだけ広範囲に種を散らす仕組みだと思うと、自然の造形の"驚異"を見せ付けられるようで、改めて関心すると同時にちょっと畏敬の念さえ覚えます。

最後にセイヨウタンポポが沢山咲いている写真をどうぞ。もっとお花畑みたいに沢山咲いているところを撮りたかったのですが、場所を見つける時間がありませんでした。また、カントウタンポポもいろいろ探してみたんですが、ついにありませんでした。小金井公園に行けば見つかるかな? また来年ご報告できればと思います。
ちなみに英語でタンポポは"dandelion"(ダンディラィオン)。私の好きな小説家のレイ・ブラッドベリ Ray Bradbury の代表作に「タンポポのお酒」(Dandelion Wine)というのがあります。少年達の心に刻み込まれた様々な夏の光景と思い出を、タンポポの花を漬け込んだお酒一瓶一瓶に映して描いた抒情詩的な作品。普段あまり単行本を買わない私ですが、この本は単行本を買ってゆっくり読みました。読後感の良い、ちょっと郷愁をそそられるような、とてもいい本です。おススメです。
ムラサキハナナ(ショカツサイ) Orychophragmus violaceus 2008/05/03

左の写真は、本町の路地脇に咲いていた個体を撮影したものです。

ムラサキハナナの葉の写真です。葉は互生、かなり大ぶりなものです。葉の縁には鋸歯があり、ゆるく波打ちます。大きいものでは長さ20-30cm、幅4-5cmにも達します。葉の元の部分は茎を抱きこむ形になります。
左の写真は、小金井市立第二中学校のフェンス脇に群生していたものですが、葉の縁が若干紫色に染まっていますね。図鑑では、葉は緑色、ということになっていますが... なんらかの理由である色素が葉の縁部分に沈着し、紫色を呈しているものと思われます。茎も図鑑では緑色になっていますが、写真のものは紫がかっています。

左の写真は、小金井市第二中学校のフェンス脇に群生しているものを
太陽光線をバックに撮影したものです。紫色の花が一面に咲いていて、太陽光線を反射しながら紫色のじゅうたんのようになっている姿が壮観でした。今この写真をupしている頃(5月上旬)には、もう花は散ってしまっています。
アブラナ科の名前となっているアブラナについては、また日を改めて写真をup致します。今しばらくお待ち下さいませ。(了)
コハコベ(ハコベ) Stellaria media 2008/03/11

この写真は「コハコベ」です。花は、写真の通り、きれいな白色で、5弁花ですが、それぞれ花びらに深い切れ込みが入るため、ちょっと見た目には10枚の花弁があるように見えますね。花の直径は5〜7mmと小さくて、丈も地上10〜20cmと低いため、一つだけでは目立ちませんが、群生すると結構目立ち、慣れればすぐ見つけられるようになります。ちなみに、学名の"Stellaria"(ステラリア)は、「星」(star)の意味のラテン語です。なーるほど、確かに星のような花ですね。コハコベの花は、これから秋まで咲き続けます。
なお、葉は対生で、長さ1〜2cm、先が尖ります。茎には細かい毛が密生します。

左はこのコハコベが群生している様子を真上から撮影したものです。JR武蔵小金井駅南口から徒歩5分のところの小路(公道)沿いに生えていました。撮影ポイントは地上30cm程度の所だったと思います。花と葉の密生している様子がおわかりいただけるかと思います。

左はこのコハコベの群生を横方向から撮影したものです。花がたくさんさいていますね。手前の方、ピントがずれてます。失礼しました。
皆様も、この時期、道端に普通に咲いているハコベの花を探してみてはいかがでしょうか?
なお、ハコベの原産地はユーラシアだそうですが、農耕に伴って世界中に広まった"史前帰化植物"なんだそうです(週間朝日百科「世界の植物」P7-244より)。つまり、万葉の時代よりずーっと前に、もう日本に来ていたってことですね。でも、そんな昔に、「外国から日本に渡来した」ってことが、どうしてわかるのですかね。植物学の奥は深いですう〜...
ツユクサ Commelina communis 2007/10/02


左はこのツユクサの群生している写真。葉はササやイネ科の雑草の葉を小さくしたような形で、特に特徴と言うべき特徴はないようです。花が咲いていなければ気がつかないで通りすぎてしまうことでしょう。ツユクサはこれまで中央線の沿線沿いに群生が見られましたが、今般、中央線が三鷹−立川間で高架化されるに及び、私がいつも通勤時に横目に見ていたツユクサの群生は跡形もなくなくなってしまい、ちょっと寂しい気持ちになりました。
ツユクサの花の青色についてですが、1957年に旧東京教育大学の教授林孝三氏が、このクサの青い花弁から青色色素を結晶として得ることに世界で初めて成功したとのことです。園芸植物の世界では、様々な色の品種の花を交雑や遺伝子操作などによって作り出す努力が日夜続けられていまして、例えば、青いバラを作り出す試みなどは有名な例の一つでしょう。ツユクサの花の青色は、赤色のアントシアニンと淡黄色のフラボンや、マグネシウム、鉄などの金属元素が複雑に絡み合って作られているとのこと(週間朝日"植物の世界"P5-224より)。アジサイの青は、アントシアニンと有機酸の一種及びアルミニウムからなる複合体によるものだそうです。ちなみに完全な青色のバラは、いまだかつて誰も作出に成功していません。バラでは、ツユクサのようなアントシアニンとフラボンの両色素をもつ交雑や突然変異を作り出すことはまず不可能ではないかということでした(同上)。でも科学の力で、いずれ完全な青いバラを作り出すことができるようになるかもるしれませんね。それにしても、ツユクサという普段見慣れている花にも、人間の及びもつかない自然の色素の不思議が詰まっているのだと思うと、自然の偉大さを改めて思い知らされるような気がします。これらの写真は、農工大キャンパスの中で、9月のある雨の日の朝に撮影しました。
ヒヨドリジョウゴ Solanum lyratum 2007/09/17

この植物は花の形がちょっと変わっていて、白い花冠が反り返り、真ん中に槍のような一本の花柱が伸び出します。花の直径は約1cm。背丈が高くならないので、よく注意しないと見過ごしてしまいますが、この季節、どこでも繁茂していると思います。この花の写真は、農工大キャンパス内で撮影したものです。

左の写真は、このヒヨドリジョウゴの全景。背は低く、地上50cmにも達しません。右側の写真は、葉をアップしたもの。ヒヨドリジョウゴの葉は、対生で、個体差が大きく、それそれ切れ込みが入ります。いろいろな形をしたこの植物の葉を見ていると、どうしてそういう形にそれぞれ生まれついたのか、そこに思いが至ります。
ヘクソカズラ Paederia scandens 2007/09/15

実は、同じアカネ科の植物には、よく鉢植えや生垣に使われ、白いとてもよい甘い香りを放つ花をつける「クチナシ」があります。また、コーヒーの木も、アカネ科の植物です。これらの植物が、ヘクソカズラと同じ科に属するとは、私にはとても信じられません。これらの植物はふかーいところで、血がつながってるんですね。
ヘクソカズラはつる性で、いろいろなところによじ登って繁殖します。名前はちょっと「お下品」でかわいそうな名ですが、花は左の写真の通り結構綺麗でして、そのため、「サオトメバナ」(早乙女花)という美しい別名があります。この花は大きさが大体1cm弱で、遠目にも結構目立ちますので、花さえ咲けば、「ああ、ヘクソカズラだ」とすぐわかります。花期は6月ころから9月ころまでです。是非皆さんのお家の周りなどでも探してみてください。この写真は農工大キャンパス内で撮影しました。

左側の写真は、ヘクソカズラが我が家の近所の網目のフェンスをよじ登っているところを撮影したもの。こうやって、何にでもまきついて登っていきます。ちなみに、つるは左巻き。この「野草編」でもご紹介した、クズやヤブガラシなどと一緒に一大群落を形成します。農工大キャンパスもこれらの雑草であふれてます。右側の写真は葉のアップです。なんの変哲もないごく普通の形をした全縁の葉。対生で、これはアカネ科の植物に共通する特徴です。この葉だけからヘクソカズラだとすぐ断定するのは、私にはちょっとまだ無理かな、という感じです。
ママコノシリヌグイ Persicaria senticosa 2007/09/09

写真の中ほどに花が小さく見えてます。色が白に見えてますが、花弁の縁が薄いピンク色をしています。うまく撮れなくて残念でした。花は直径5mm程度のちいさなもので目立ちません。葉は互生で、三角形をしており、全縁です。葉柄に鋭い棘を持っています。名前も名前ですが、とにかく変わった野草です。

左側の写真は、ママコノシリヌグイの群生写真。右側の写真は葉のアップです。このなんの変哲もない葉の葉柄は、鋭い棘でいっぱいです。この写真の撮影場所は、農工大西門入ってすぐ右側の草むらです。
ヤマノイモ Dioscorea japonica 2007/09/02

ここに掲げた写真はヤマノイモ Dioscorea japonica で、近所で花をつけている姿を写真に納めたものです。よく食料品店で売っているナガイモ Dioscorea opposita もヤマノイモと同属で、広く食用として栽培されていますが、両者には中間とみられる雑種があって、その判別は困難だとのこと。もしかしたら、この写真もナガイモとの間の雑種なのかもしれません。
ちなみに、ナガイモやヤマノイモを生で食べるのは日本独特のやり方で、世界では茹でるか蒸すか、さもなくば焼いて食べるのが普通なんだそうです(前出P9-262)。この写真のヤマノイモも、食べられるのか? 道端に何気なく生えている野草ですが、興味は尽きません。

左側の写真は、このヤマノイモの全景。こんもり茂ってます。ここまで育つということは、やっぱり地下茎は食べられるんじゃないでしょうか。右側の写真は花のアップ。地味ですが、全体としてみると、この花が沢山咲いている姿はなかなかに壮観です。
葉は細長いハート型で、2007.08.02に野草編で紹介した「トコロ」の葉の幅を狭くしたような形です。
カナムグラ Humulus japonicus 2007/08/11

カナムグラは、アサとは別の属で、日本、中国など東アジアに広く分布する一年生のつる性の植物です。葉は綺麗に切れ込みが入り、ちょうど手を広げたように見えますので、この姿を憶えておけば、すぐ「あ、カナムグラだ」と分かるようになります。また、茎には細かい棘が密にあり、下手に手を触れると怪我をしますので、要注意です。左の写真は、農工大キャンパスの西門近くに叢生している姿を撮ったものです。

左側の写真は、カナムグラの葉のアップ、右側の写真は葉が対生している様子を撮ったものです。カナムグラは、手入れのしていない土地にすぐにはびこる非常に剛健な野草です。農工大キャンパスにも大量に生えています...(って、別に農工大キャンパスが手入れされてなくて"荒れ放題"というわけじゃありません、誤解しないでくださいね。とにかく隙間があればすぐ生えてきちゃうんでして、どうしようもないんですよね)。まだ花期を迎えていないので、花の写真は初秋になったらまた撮ってupしたいと思います! 余談ですが、カナムグラの仲間に、ビールの原料として有名なホップ Humulus lupulus
があります。これも、変種の野草であるカラハナソウ Humulus lupulus var. cordifolius を近所に発見しましたので、それをご紹介するときにホップの話も少ししてみたいなと思います。夏はやっぱりビール!! でも、カナムグラではビールは造れない...ホップの仲間なのに、ああもったいないなあ、と思いながら、いつも横目でカナムグラを見つつ、通り過ぎている私です。
ヒメジョオン Erigeron annuus 2007/08/07
ヒメジョオン Erigeron annuus は、キク科 Asteraceae 約1200属23,000種のうちの一属、アズマギク属の一種です。アズマギク属は、北半球に多く、約250種ほどが知られているそうです。ヒメジョオンは明治維新前後に日本に渡来したとあります(週間朝日百科「植物の世界」P1-111より)。北米原産で、全国どこでもよくみかけます。
よく似た野草に、ハルシオン(ハルジョオンとしている図鑑もある)というのがあります。どちらも、皆さん、一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか? どちらも、高さ50〜60cmの高さの茎の先に、かわいい小さな花を沢山つけますが、ハルシオンは蕾が下に垂れるのに対し、ヒメジョオンでは上向きのままで垂れません。また、葉のもとが、ハルシオンでは茎を抱くように巻きますが、ヒメジョオンではそうはなりません。花が咲く時期も、ハルシオンは4〜5月ですが、ヒメジョオンは6〜7月。ただし、両者が混じって咲くこともありますので、単純に咲く時期だけでは決められないことがあります。残念ながら、今頃はもう花の盛りを過ぎてしまっています。

左はヒメジョオンの花のアップ。頭花は直径2〜3cmと小さいですが、群生するとなかなか見ごたえがあります。この写真はジャノメミシン跡地周辺の畦で撮ったものです。花が小さすぎてちょっと写真がうまくとれませんでした。前述の特徴を観察すれば、ハルシオンとの見分けが容易に付きます。また来年、最盛期で元気の良いヒメジョオンの姿をupしたいと思います!
ヒメムカシヨモギ Erigeron canadensis 2007/08/06
ヒメムカシヨモギ Erigeron canadensis は、キク科 Asteraceae 約1200属23,000種のうちの一属、アズマギク属の一種です。全国の荒地によくぼうぼうと生えています。北米原産の帰化植物で、明治初期に渡来したそうです。
キク科と聞くと、「これがキクの仲間なの?」と思われるかも知れませんが、ちゃんとしたキク科です。よく道端で春から夏にかけて見られる、ハルシオン Erigeron philadelphicus やヒメジョオン Erigeron annuus と同属。でも花序の形は全然ちがい、菊を連想させるよなかたちではありません。茎の中ほどから沢山分枝し、花穂をつけます。

左は花序が花開く前の状態の近影。右は葉の写真。葉は互生、細長くて全長5-10cm。縁にまばらに鋸歯があり、この姿はたしかに「菊」を連想させてくれます。同じキク科のオオアレチノギクとよく似ていて見分けが難しいのですが、その見分け方については、またオオアレチノギクの写真をupしたときにご説明しますね。
ヤブガラシ Cayratia japonica 2007/08/04
ヤブガラシ Cayratia japonica は、ブドウ科 Vitaceae 11属約700種のうちの一種です。ブドウ科はつる性植物の代表です。ヤブガラシもつる性の多年草で、ひげを出して他のものに巻きつきながら成長します。br>
ヤブガラシは日本全土にとどまらず、朝鮮半島、中国、東南アジアからインドまで広く分布する(週間朝日百科「植物の世界」P4-26より)とのことですが、種小名にはjaponicaという日本固有種であるかのような名前が付いています。漢方では、根や茎・葉に解毒・利尿・鎮痛・消炎などの効果があるとされるとのことです。若芽は茹でればだべられるそうです(前出)。
葉は対生で五枚の小葉が鳥の足のように付く「五出複葉(掌状複葉ともいいます)」(写真左)。縁には単鋸歯があります。茎と葉脈は紫に近い色をしています。また、茎の切断面は四角形をしており、この種と非常に似ている「アマチャヅル」 Gumostemma pentaphyllum (茎の断面は丸い)と容易に見分けがつきます。
花は大きな集散花序になります。花弁は4枚あるのですが、すぐに落ち、その台座の「花盤」が橙色になって残ります。その姿が、ふと地面に目を落とすと飛び込んできて、印象的です。なお、これらの写真は、中町の中央線の線路脇小路に群生していたものを撮影したものです。
トコロ(オニドコロ) Dioscorea tokoro 2007/08/02
トコロ Dioscorea tokoro は、ヤマノイモ科 Dioscoreaceae 8属約630種のうちの一種です。ヤマノイモ科は多年草で、乾季や冬季などには地上部は枯れて栄養分(デンプン)は地下の塊茎(カイケイ)に蓄えられます。地上部はその塊茎から伸びだし、他のものに巻きつきながら成長し、葉や花をつけますが、大体一年で枯れます。食用にするものが多く、ナガイモ Dioscorea oppsita などはその代表例でしょう。
ヤマノイモ科の多くは熱帯に分布するのですが、日本にも10種を超えるヤマノイモ科ヤマノイモ属の野生種があり、北半球では特異な分布を示しています。ヤマノイモ Dioscorea japonica は、
種小名からもお分かりのとおり、日本固有種。昔から食用にされてきました。トコロもそうした日本固有種のヤマノイモ属の一種で、根茎が芋状に肥大します。図鑑によっては"食べられない"としてあるものもありますが、週間朝日百科「植物の世界」P9-263では、"この根茎を長寿を祝う飾りにしたり、食用にしたりする"と記述されています。さて、本当に食べられるんでしょうか。いつか試してみます。

葉は心形(ハート型、左側の写真)で、長さは、いろいろな葉を図って見たところ、5-10cm、幅4-7cmくらいが一般的なようです。もちろん生育環境にもよるでしょうけれども。
ちょうど今が開花期。花は下垂する花序にまばらにつきます(右側の写真)。直径5mmくらいと、小さくてかわいいですが、結構これが群生しているとぱっと目に飛び込んでくるんですよね。
これらの写真は、農工大の東に接する小路脇に群生していたものを撮影したものです。
ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana 2007/08/01
ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana は、ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae 18属約80種のうちの一種です。食用にするゴボウは野生種の改良品種で、元のヤマゴボウ Phytolacca acinosa は、根が薬用に、葉が食用になります。ヨウシュヤマゴボウも、葉を煮ると食べられるとのこと。元はアメリカ原産で、今はあらゆる場所に雑草として繁茂しています。
葉は楕円形で、対生します。長さ約10-20cm、幅5-10cmくらい、先はとがります。さわると、しなやかな肌触りです。左の写真は、農工大の東に接する小路脇に群生していたものを撮影したものです。

ちょうど今この時期が開花期。上左の写真が開花直前の蕾、上中が開花した状態、上右が結実して熟した状態です。熟した実は柔らかく、つぶすと紫色の液が飛び散ります。この実は毒があって食べられないとある図鑑に描いてありましたが、他の図鑑によってはアメリカでは"パイなどに入れて焼いたり"する、という記述もありまして(週間朝日百科「植物の世界」P8-60)、私にはどちらが正しいのかわかりません。どうも、火を入れれば食べられるんじゃないか、という気がします。今度ちょっと調理して食べてみたいと思いま〜す。
ヤブマオ Boehmeria japonica var. longispica 2007/07/31
ヤブマオ Boehmeria japonica はイラクサ科Urticaceae45属約900種(分類には諸説あり)のうちの一種です。前出のカラムシ Boehmeria nivea にたいへんよく似ている葉をつけますが、対生であるところが違います。また、葉のうらはカラムシのように白くはありません。茎の高さはやはり1〜2mにもなり、時に長さ30cmもある葉をつけて、壮大な景観を呈します。左の写真は、ジャノメミシン跡地周辺の小路で小株を作っている姿を撮影しました。
葉は対生で単葉、柔らかいが表面はざらざらしており、縁に荒くてするどい鋸歯があります。葉脈がはっきりしているので、一度憶えてしまえば、カラムシ同様、あとは楽に探すことができます。「ヤブマオ(藪マ(クサカンムリ+ワカンムリ+丁)麻)」とは、藪の縁に生えるという意味があるそうです。
上に述べたとおり、ヤブマオは葉が対生です。左の写真は、葉柄が茎から対生している部分を接写したものです。葉が対生か互生かは、分類上の大きな分かれ目。なぜ種類ごとに葉が対生、互生と決まっているのかは、「神のみぞ知る」でしょう。
植物観察上、見逃せないポイントです。
カラムシ Boehmeria nivea 2007/07/29

カラムシBoehmeria niveaはイラクサ科Urticaceae45属約900種(分類には諸説あり)のうちの一種です。割りと明るいところに生え、茎の高さは1〜2mにもなり、時に長さ30cmもある葉をつけて、大群落を作り、壮大な景観を呈します。左の写真は、中央線の線路と農工大キャンパスの間にある小路脇に小群落を作っていたところを写真に収めました。雨が降っていたので、全体的に光沢があるように見えますが、乾けば光沢はありません。
葉は互生で単葉、柔らかいが表面はざらざらしており、縁に荒くてするどい鋸歯があります。葉脈がはっきりしているので、一度憶えてしまえば、あとは探すのが楽になります。同じイラクサ科カラムシ属の中で似たものに「ヤブマオ(藪マ(クサカンムリ+ワカンムリ+丁)麻)」Boehmeria japonicaがありますが、こちらは葉が対生し、裏面が白くないので判別できます。
上に述べたとおり、カラムシは葉の裏側が灰白色なのが特徴。ためしに葉を一枚折り、表と裏とをずらして合わせて写真を撮りますと、その色の違いがよくわかると思います。真夜中にカラムシの繁茂している脇を通ると、月明かりに葉の裏が真っ白に妖しく光り、なにやら化け物でもでてきそうな雰囲気になりますので、ちょっと夜は気味
悪い思いをすることがあります。
エノコログサ Setaria viridis 2007/07/22

エノコログサSetaria viridisはイネ科Poaceae600属約9,500種のうちの一種で、別名ネコジャラシともいわれ、そのかわいい穂はどなたも道端で一度は目にしたことがあることでしょう。夏の最も代表的な雑草です。私も子供のころ、よくこれをとって友達の首をくすぐって遊びました。中央線の線路脇の小路脇に生えていたところを写真に収めました。
週間朝日百科「植物の世界」によれば、イネ科の植物は、日本では127属約500種が知られているということです。
穂は柔らかく、長さ5cm〜10cm程度。これがもっと大きな穂で垂れ下がるようになると、"アキノエノコログサ"になりますが、こちらの方は穂をつける時期がもっと遅く9〜10月頃になります。穂ももっと荒く、強壮な感じになります。左の写真は、穂も比較的小さく、柔らかい状態からして、普通のエノコログサでしょう。
葉は、表は比較的さらさらしていますが、裏面はざらざらして、触ると指の腹に引っかかり、無理すると指を怪我しかねません。葉の淵も切れやすく、うっかり触ると危険です。
クズ Pueraria lobata 2007/07/15

写真左一枚目は中央線沿線で、現在行われている高架化工事のためのフェンスにからみつき、よじ登りながら、大群落を作っている姿を写真に収めたものです。いや、この繁殖力にはとにかく脱帽もの。どうしてツルツルの金属板フェンスをよじ登れるのか、わかりません。
クズはその根から取ったデンプンを「葛粉」(クズコ)として食用に用いましたが、今それをビジネスとして行っているところは少ないようです。ちなみに「片栗粉」(カタクリコ)も昔はカタクリの根から取りましたが、今はジャガイモからつくるのが一般的です。

クズの葉は、ちょっと不思議な形をしています。三つの葉っぱ(それぞれ小葉といいます)が茎の一つの節からでています(これを三出複葉といいます)。 三つの小葉の形もそれぞれ異なっていて、中心の一枚はひし形をしていますが、他の二枚はくずれた形をしています。葉の形には個体差が大きいように思われますが、この特徴を記憶しておけば、これから「あ、これはクズだ」と一目瞭然、お分かりになることでしょう。小葉は長さ30cmに達するものもある大型のものです。