
ギンヨウアカシア Acacia baileyana は、ネムノキ科 Mimosaceae 66属3000種という、かなり大きな科の内の一属であるアカシア属 Acacia 、1200種の内の一種です。 ソシンロウバイ Chinamonthus praecox f. concolor は、ロウバイ科 Calycanthaceae 3属5-9種という、非常に小さな科の内の一種、ロウバイ Chinamonthus praecox の園芸品種です。 ヤツデ Fatsia japonica は、ウコギ科 Araliaceae 約55属700種という、比較的小さな科の内の一種です。ウコギ科の植物は日本には10属20種が自生するとのことですが、ヤツデはそのうちのヤツデ属3種という非常に小さい科のうちの一種です(週間朝日百科「植物の世界」P3-130より)。ウコギ科については、同科に属するカクレミノを2008/8/12にご紹介した時に少々書きましたので、そちらの説明も合わせてご覧くださいませ。こちらです→カクレミノ コムラサキ Callicarpa dichotoma は、クマツヅラ科 Verbenaceae 約100属2600種という、かなり大きな属の内のムラサキシキブ属140種 Callicarpa のうちの一種です。ムラサキシキブ属は、南アメリカとアフリカを除く世界の熱帯から温帯に広く分布し、日本には10種が自生するそうです(週間朝日百科「植物の世界」P2-266より)。この属名を関した代表種であるムラサキシキブ Callicarpa japonica は、種小名の"japonica" が示すように、日本産のもので、日本各地の山野に普通に見られ、秋に実る紫色の果実がとても印象的なために古くから植栽もされてきました。また、秋の歌としてもさかんに詠まれてきました。 オニグルミ Juglans ailanthifolia は、クルミ科 Juglandaceae 約8属60種という、小さな科の内のクルミ属20種 Juglans のうちの一種です。クルミ属の樹は、実が食用にされるほか、材が堅いので、用材としてもよく利用されます。一昔前までは、銃床などにもクルミの木が多用されたそうです。 カクレミノ Dendropanax trifidus は、ウコギ科 Araliaceae 約55属700種という、比較的小さな科の内の一種です。日本には10属20種が自生するとのことです(週間朝日百科「植物の世界」P3-130より)。この科は小さい科ですが、その中にはかなり世間で名の通った種が存在しています。天ぷら料理などの食材に使う「タラノメ」を取るタラノキ、山菜として用いられてきたウド、これも芽が食用のタカノツメ、観葉植物の「ホンコン・カポック」の名で知られるヤドリフカノキ、観葉ツタ植物として有名なセイヨウキヅタ(ヘデラ)、昔から薬用とされてきたチョウセンニンジン、等々です。 クリ Castanea crenata は、ブナ科 Fagaceae 約7属900種という、比較的小さな科の内の一種です。ブナ類は小さい科であるにもかかわらず、人間生活とのかかわりが非常に深く、食用としてのクリはその典型といえましょう。他にブナ科で有名なものは、茶席用の菊炭のクヌギ、備長炭用のウバメガシ、オーク材として利用されるコナラなどのナラ類、そのまま食用になるどんぐりをつけるマテバシイなどがあります(週間朝日百科「植物の世界」P8-71-72)。ブナ類はブナ、シイ、カシ、ナラを含み、日本だけでなく欧州では「森の王」(オーク Oak: ヨーロッバナラ)「森の母」(ヨーロッバブナ)と呼ばれており、北半球でも膨大な面積を占めているそうです(前出)。 ハナミズキ Cornus florida は ミズキ科 Cornaceae 約10属100種という、比較的小さな科のの内の一種です。ハナミズキは、米国の国花でもあり、彼の地では代表的な花木の一つです。1912年、東京市長が尾崎行雄だったとき、アメリカとの友好の印に東京からワシントンD.C.に桜の一種、ソメイヨシノを送ったのですが、そのお返しにと送られてきたのが、ハナミズキでした。そのハナミズキの株は、今も東京・日比谷公園で育っているそうです(週間朝日百科「植物の世界」P4-136より)。花は4月から5月にかけて開花します。花の色も、白の他に、ピンク色のものもあります。 ハナミズキの花はヤマボウシに良く似ています。左の写真は、ハナミズキの写真ですが、白い花のような部分が四枚あります。これは実は花そのものではなく、総苞片(そうほうへん)という部分ですが、これの先端がハナミズキではへこむのに対し、ヤマボウシではへこまず、とがったままになっています。また、ハナミズキでは葉が開く前に、この花が樹一杯に咲くのに対し、ヤマボウシでは葉と花が一緒に出てきますので、ハナミズキの方がヤマボウシよりなんとなく華やかなイメージがあります。また、花の咲く時期もヤマボウシの方が後になります。 サクラは一度この樹木編で取り上げましたので、学名その他の解説については "サクラ(ソメイヨシノ)2007/7/26"をご覧くださいませ。 ナンテン Nandina domestica は メギ科 Berberidaceae 約15属650種の内の一種です。ナンテンは、ナンテン属に属しますが、このナンテン属にはナンテン1種しかありません。こういう、1属1種〜2種という小さなものがこのメギ科には50種ほどあるということです。ナンテンもその一つです。 イチョウ Ginkgo biloba は イチョウ科 Ginkgoaceae 1属1種の植物です。イチョウは、裸子植物の大きなグループであるイチョウ目の唯一の生き残りであり、もっとも栄えたのは古生代ジュラ紀のころでしたが、恐竜が滅んだのと時を同じくしてほとんどの種が死滅し、新生代第三期になって今の一属一種になったのだということです(週間朝日百科「植物の世界」P11-290より)。 ケヤキ Zelkova serrata は ニレ科 Ulmaceae 15属約150種のうちの一種です。ニレ科は、世界中に分布していますが、日本にはケヤキ属、ニレ属、エノキ属、ウラジロエノキ属、ムクノキ属の5属が自生しているとのことです(週間朝日百科「植物の世界」P8-162より)。東京でもっともよく見かけるのは、このうちケヤキでしょう。街路樹としてたくさん用いられ、庭園樹としてもよく利用されています。また、ケヤキは小金井市のシンボルとして選ばれている樹木。まっすぐに伸びる樹幹や途中から扇のように広がる枝は、道路の両脇をかためるにふさわしく、また秋には美しい黄色に紅葉する姿も見ごたえがあります。都市景観を彩る上で、イチョウと並んで欠かせない樹木といえましょう(まあ、冬に大量の落ち葉を清掃しなくてはならないというちょっとコストのかかる木でもありますが...それはイチョウも同じか。ちなみにイチョウは東京都のシンボルです。)。 モミジバスズカケノキ Platanus acerifolia は スズカケノキ科 Platanaceae 1属約10種のうちの一種です。スズカケノキ Platanus orientalis とアメリカスズカケノキ Platanus occidentalis の自然交雑による中間種で、葉の切れ込み方が違います。スズカケノキは一番切れ込みが深く、はっきりと葉が3つの部分にわかれます。一方、アメリカスズカケノキは切れ込みが浅い。そして、モミジバスズカケノキは両者の中間の深さの切れ込みとなります。 ハンカチノキ Davidia involucrata は ミズキ科 Cornaceae 10属約100種のうちの一属、ダウィディア属の一種です(ダウィディア科として独立させることもあるとか。週間朝日百科「植物の世界」P4-146より)。原産地は中国南西部の山地で、花の基のところに2枚の大きな白い総苞片を出し、それがまるでハンカチのように見えることから、この名前が一般化しました。 エンジュ Sophora japonica は マメ科 Fabaceae 約455属17,000種のうちの一属、クララ属 Sophora の一種です。クララ Sophora flavescens は日本を含む東アジア一帯に自生する草本ですが、エンジュは木本。高さ15m以上の大木に成長します。種小名 japonica から察すると、日本固有種かと思いがちですが、実は中国原産で、古い時代に日本にもたらされたとのこと。中国では高貴な木とされているようです(週間朝日百科「植物の世界」P5-36)。
キリ Paulownia tomentosa は、ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae 約190属4,000種のうちの一種です。ゴマノハグサ科は多くが草本ですが、キリは木本。キリはノウゼンカズラ科に入れることもあり、分類はまだかたまってないようです(週間朝日百科「植物の世界」P2-98より)。キリの学名は、江戸時代末に日本に住んだシーボルトが、オランダのパヴロナ大公女に献呈したことにちなみます。シーボルトは Paulownia imperialis という学名をつけましたが、それより先に日本の植物を研究してまとめたツンベルク P. Tumberkが、 Tomentosa という名を与えていたので、今はそちらを正式な学名とし、シーボルトの学名はキリの異名として用いられているそうです(前出)。
アオギリ Firmiana simplex は、アオギリ科 Sterculiaceae 72属約1,500種のうち、アオギリ属の一種です。アオギリ科は、主に熱帯の植物で、日本には5属5種しか自生していないそうですが、この科には南米原産のカカオノキや、果実を食すピンポンノキ、コラノキなど、人々の生活上欠かせない役割を果たしてくれるものが含まれます(週間朝日百科「植物の世界」P7-109〜114より)。
カリン Chaenomeles sinensis は、バラ科 Rosaceae 約100属のうち、ボケ属 Chaenomeles 4種のうちの一種です。ボケ属は、東アジアに4種しかない小さな属ですが、カリンはその一つなんですね(カリン属として分けることもありまして、これも諸説紛々のようです。週間朝日百科「植物の世界」P5-146より)。
カリンはサクラほど目立ちませんが、桃色の花を4月頃に咲かせます。ウメやソメイヨシノのように花が目立たないのは、葉が出るのと一緒に花が開くから、葉に邪魔されて見栄えがしないのでしょう。左の写真は、4月の撮影です。
カリンといえば、カリンの実を食用にしますよね。カリンは最初は左の写真のように緑色の実を5月には付けはじめ、だんだん大きくなってやがて黄色になります。
カリンにはもうひとつ、樹皮に特徴があります。左側の写真のように、赤銅色の肌がうろこのように剥がれるのです。色は違いますが、剥がれ方はプラタナスににています。この肌と葉をみれば、カリンだとだいたい想像がつきます。実もなっていれば、なおさら分かりやすいですね。
ソメイヨシノ Cerasus yedoensis は、バラ科 Rosaceae 約100属3,000種の一種です。サクラ属は、広義にはスモモ属 Prunus に分類され、そのうちには約400種があるのとこと。狭義に分類すると、モモ属 Amygdalus 、アンズ属 Armeniaca 、スモモ属 Prunus 、サクラ属 Cerasus 、ウワズミザクラ属 Padus 、バクチノキ属 Laurocerasus となり、中間種はなく、どの木もどれかの属に分類できるのだそうです(週間朝日百科「植物の世界」P5-100より)。
サクラ、とくにソメイヨシノは葉が出る前に枝に一面に花が咲き、散り際も見事で、日本人の心根をゆさぶる何かを宿しているように思われてなりません。"大和魂"とは、ソメイヨシノのようにぱっと咲き、ぱっと散る、国のためにわが身をサクラのように捧げる、というところでしょうか。ただ、国の政策推進のために時の政府がサクラの薄命さ、美しさをことさらに利用し、国民意識の高揚を図るのは私は好きではありません。
ソメイヨシノは、もともとオオシマザクラとエドヒガンという二種の野生サクラを交配して作られた園芸種で、江戸時代末期から江戸・駒込の染井の植木屋から売り出されたので、この名があるそうです。ただ、交配の実態については諸説あって、決着はついていないようです(週間朝日百科「植物の世界」P5-114より)。ただ、学名の"yedoensis"は江戸時代の創作であることを示しています。葉は幅広で、縁は重鋸歯。単鋸歯のオオシマザクラ、エドヒガンと見分けがつきます。ちなみに、桜餅をくるむサクラの葉はオオシマザクラの若葉を塩で漬け込んだものです。今度、桜餅を食べたら、葉も観察して下さいね。なお、ソメイヨシノは成長は早いが、病気には弱く、寿命も百数十年と短いのだそうです。種子ができない(当然サクランボも成らない)ので、オオシマザクラなどの台木に接木で増やします。ということは、世界中にあるソメイヨシノの木は、元は一本の木から複製された、全部DNAが同じクローン、ってことなんです。アメリカの首都ワシントンD.C.のポトマック河畔にある大量のソメイヨシノは、日本が日米友好を祈って送った苗木が成長したものですが、それも全部クローンなんです。驚きでしょう?
左側の写真は、上のソメイヨシノの樹皮で、高さ1.5m程のところを撮影したもの。これだけみると、種類がよくわからないかも知れませんが、もっと上の枝(地上5mくらいか)の樹皮をみれば、サクラに特有の横に筋が入った樹皮がみられます(右側の写真)。これを憶えておけば、花が咲いていない時期でも、少なくともサクラの仲間であることは見分けられます。
メタセコイア Metasequioia glyptostroboides は、スギ科 Taxodiaceae 9属13種の一種です。
メタセコイアの葉は、線形の葉が2列に水平に並んだかたちです。新葉は黄緑色でとても美しい。さわると、とてもしなやかな触感で、そこがスギと違うところですね。秋になると紅葉し、葉を落とします。春にまた勢い良く新葉を成長させます。
左の写真は、このメタセコイアの樹皮。赤みがかった色で、たてに浅い裂け目が沢山入ります。
ギンヨウアカシア Acacia baileyana 2009/02/21

アカシア属は、ネムノキ科の学名のとおり、その花が「ミモザ」と呼ばれることがあります。ネムノキ科には別にオジギソウ属 Mimosa があって、両者がよく混同されますが、それぞれ別属です。
ここでご紹介するギンヨウアカシアは、オーストラリア南東部の原産の常緑樹。高さは10m近くに達する高木になります。葉が銀色の粉を吹いたようで、美しいので、この名があります。東京あたりでは2月から4月にかけて花が咲きます。この花がレモン・イエローで素晴らしい。直径5mm〜1cmくらいの小さな丸いぼんぼりのような花が、密集してつき(こういうのを総状花序といいます)、花が満開になると、素晴らしい景観を呈します。写真のものは、小金井市本町のあるお宅の庭木が、公道にはみ出しているところを撮影したもの。細長い枝先に咲く花は、風に揺られやすく、なかなかシャッターチャンスがありませんでしたが、どうにかこうにか、形になるものを撮ることができました。見事に花が房になって咲いています。枝の先端には、まだ蕾がいくつか見えますね。近縁の"フサアカシア" Acacia dealbata (英語名が"ミモザ"です)などとともに、切花に用いられることがあるようです。フランスでは、フサアカシアが、切花や香水として用いられ、"ミモザ祭り"にも使われるそうです(週刊朝日百科「植物の世界」P5-52より)。ミモザ祭りって、いったいどんなものなんでしょう。今度調べて見たいと思います。ちなみに、フサアカシアの葉は、小葉とよばれる細かい葉がギンヨウアカシアよりも少し細くて、色がより緑色で、数も多いので、そういう点に注意すれば見分けがつきます。どちらも花季や花の色は同じです。

左の写真は少し離れたところからの写真です。枝先に房状になって咲いている姿がお分かりいただけるかと思います。この花も、前回ご紹介したソシンロウバイやウメとともに、春を告げる花ですね〜

左の写真はギンヨウアカシアの葉を撮影したものです。緑色に銀色といいますか、白っぽい粉のようなものが吹いている感じの、なかなか奥ゆかしい葉をしています。葉は触ってもいたくはありませんが、結構硬い感じがします。

左の写真はギンヨウアカシアの樹皮です。すこし緑色がかっていて、わりと平滑な感じをしています。縦に筋目が入ります。この写真の幹は、直径役10cm弱です。

最後にこのギンヨウアカシアの木を下から眺めた写真をどうぞ。全景写真を撮ると、お宅全体がバックに入ってしまいますので、全景写真を撮るのは諦めました。その代わりに、空いっぱいに広がるミモザの花を写真に収めました。ああ〜いい眺めだなあ〜と、一人でぼんやり思ってしまいます〜
ソシンロウバイ Chinamonthus praecox f. concolor 2009/02/08

ロウバイは、中国原産で、1-2月の厳寒期にいち早く黄色の目立つ花を咲かせます。葉が出る前に花がつきますので、遠目にも目立つ花です。花びらは多数が集まって一つの花を構成していますが、外側の花弁は淡い黄色、内側の花弁は褐色〜紅紫色をしています。ロウバイの花はこの2色から成り立っているのですが、ここで取り上げるソシンロウバイというのは、ロウバイの園芸品種で、内側の花弁も外側の花弁と同じく、淡い黄色をしています。つまり、ソシンロウバイ「黄色一色」だということです。そもそも、この「ソシン」というのは、「素心」という漢字が当てられていて、くわしいことは私にはわかりませんがたぶん、「中まで素の黄色」、とでもいう意味なのでしょうね。また、ソシンロウバイは、ロウバイよりも一回り花が大きくなります。
ソシンロウバイも、ロウバイと同じく、1〜2月にかけて可憐な黄色の花を枝いっぱいに咲かせます。葉がまだ出ていないので、遠目にはちょうど黄色いウメでも咲いたかのように見えます。ただ、ウメとはまったく花の形が違いますし、木の幹を見ればその違いがいっそう分かります。ウメは若い株のときから、樹皮が裂けてでこぼこになるのに対して、ソシンロウバイはそうはならず、わりとすべすべした樹皮の上に、とげのような小さなイボが散らばっているような感じになります。(木の幹の写真を撮ってくるのを忘れました。また撮りましたらアップさせていただきたいと思います。)
左の写真は、野川の近くのお宅の庭から公道にはみ出して咲いていたソシンロウバイを撮影したものです。花の直径は2-3cmと、ウメのサイズに似いています。花の中まで、黄色一色であることがおわかりいただけるかと思います。

左の写真もソシンロウバイです。少し離れたところからの写真です。枝先にちょこちょこと咲く姿がとても春めいていて、なぜか「いいなあ、もう春がくるなあ」と思ってしまいます。

最後にソシンロウバイの遠景をどうぞ。青い空に、いっぱいに咲きほこる黄色い花が印象的ですね。また葉が出る頃になったら、写真を撮ってアップします。ご期待くださいませ〜
ヤツデ Fatsia japonica 2008/12/13

ヤツデは、冬も青々とした光沢をもつ大きな葉を広げる常緑の低木です。左の写真は、ヤツデの花の近影です。撮影場所は、JR武蔵小金井駅北口から徒歩数分のところの、本町の公道沿いです。花は、地域によって差はあるものの、関東地方ではちょうど北風が吹いてくる11月下旬から12月にかけて咲きます。花びらは白く、小さいのが5枚あるのが良く見るとおわかりいただけると思います。これがちょうど鞠のようにまあるくつきます(これを散放花序といいます)。晩秋〜初冬にこの花がぱあっと咲いているのを、あまり人目につかない木陰に見るのは、なかなか風情があって私としては捨てがたい魅力があります。ちなみにヤツデは、福島県以南に自生するとのこと(同上)です。日陰でもよく育つので、私の住んでいる東京では、公園の日陰などによく植えられているのを目にします。

左の写真は、このヤツデのつぼみの様子です。なにかこう、綿棒の先がまるく集まったような形をるしていて、ちょっとおもしろいですね。これが先の写真のように、ぱあっと開いてボールのような花になっていきます。

この写真は、このヤツデの葉を真上から写したものです。差し渡し30cmはあろうかという大きなもの。非常に光沢があり、枯れ木の目立つ冬にはとても目を引く存在となります。また、ヤツデの名のとおり、8つの深い切れ込みが入っています。切れ込みの数は葉によって多少異なることがあります。この葉の形を覚えていれば、まずヤツデを見間違うことはないでしょう。ヤツデ属には、他に台湾に自生するタイワンヤツデ F. polycarpa と、葉の形が異なるカミヤツデ F. oligocarpella が小笠原に知られているだけなので、本州でヤツデを見分けるのはたやすい、というわけです。

このヤツデの株の全景写真です。背丈約1.5m。ヤツデは低木で、図鑑によれば背丈は2mくらいにしかならないようです。葉が重なり合うように生えていますが、これは幹を取り巻くように、順々に互生に生えています。なかなかこの株も姿形がいいですよね〜
それでは、もう一度ヤツデの花がたくさん咲いている写真をどうぞ!! これは上記のヤツデとは異なり、中町の小金井神社の近くに咲いていたものを撮影したものです。狭い空間に、葉を精一杯広げて、花を咲かせていました。その姿に感動して、思わず写真をとったのでした。ぼんぼりのような花序がいくつもついていて、とてもきれいですね。普段春〜夏は"日陰者"のヤツデですが、こうやってみると、まさに初冬の主役といっても過言ではないと思います。とくとご覧くださいませ〜
コムラサキ Callicarpa dichotoma 2008/11/24

左の写真は、ムラサキシキブではなく、コムラサキです。コムラサキはムラサキシキブに比べて実の大きさが一回り小さく(前者が3.0mm前後なのに比べて後者は3.5mm前後)、また、写真でもお分かりになりますとおり、実が非常に密集してつくことに特徴があります。ムラサキシキブも密集して実がつくのですが、コムラサキに比べるとややまばらです。また、がく片がムラサキシキブは5つなのに対し、コムラサキは4つなので、この点を確かめられればより確実です。
現在、鉢物や庭に植栽される苗として出回っているもののほとんどは、コムラサキですが、ムラサキシキブと名前が混同されている場合も多いようです。私はあまり植物の名前(学名)の正しさにこだわるほうではありませんが、学者さんを初めとして、こだわる方はこだわりますので、両者の違いを頭にいれておくといいかもしれませんね。
残念ながら、ムラサキシキブは私の住んでいる近くでは発見できませんでした。今度、もっと探索範囲を広げて、ムラサキシキブを探してみたいと思います。

左の写真は、このコムラサキの木の葉の様子です。葉は、写真が示すとおり、対生(向かい合って2枚の葉っぱが出るもの)で、長さは3-7cmと割合小さいものです。これがムラサキシキブとなりますと、長さが10cm以上になりまして、かなり大振りな葉っぱとなりますから、葉の大きさでも両者の違いが見分けられます。葉の縁には鋸歯(ぎさぎざ)があります。また、茎は紫色がかっています。ムラサキシキブは茎が薄い緑色をしていますので、この点も違います。なお、右側の写真には、コムラサキの実がまだ熟していない状態のものが写っています。淡い緑色をしていて、これも綺麗です。
このコムラサキの全景写真をどうぞ。写真を撮った場所は、JR中央線の「中町踏切」のすぐ近くの公道沿いです。こうやって、垂れ下がる細い幹に房のように密集して実がつく様子は、本当に美しい。いつまでも見とれてしまいます。これぞ、日本の秋、と言う感じですね。私はモミジ等の気の紅葉も好きですが、こうした紫色や朱色に染まる木の実を見るのも"秋の一興"だと思います。
オニグルミ Juglans ailanthifolia 2008/08/17

オニグルミは、日本全国の川沿いなど、湿った土地に自生し、高さ20-30mに達する大きな木となります。樹形は、縦方向への成長と同じくらい横方向への枝の張り出しが速いので、全体としてずんぐりした丸い形となります。枝は、幹の非常に低い位置からもどんどん出て横に張りだしますので、剪定をしなければ常に手でとどく範囲に枝と葉があることになります。
写真の木は、小金井市中町のジャノメミシン跡地広場に植えられていた一本です。この木も、大きな葉を広々と広げ、丸い樹冠を形成しています。写真の左端、枝が横に張り出しすぎて、地面にくっつきそうになっているのがおわかりいただけるかと思います。この木は定期的に管理者(小金井市)により、幹の下の方の枝が剪定されています。

左の写真は、オニグルミの実を撮影したものです。房状になり、一度に10個前後の実がつきます。この実はそのまま「胡桃の実」として食用になります。縄文時代の遺跡からも、オニグルミの実が多数出土しているため、その昔から食料として利用されてきたものと思われます。なお、私たちが普通「胡桃」としてスーパー等で買うクルミは、カシグルミ(テウチグルミとも) Juglans regia var. orientis の実で、オニグルミの実よりも一回り大きく、食べられる部分脂肪分の豊富な子葉の部分)もオニグルミより多いものです。私はオニグルミの実を食べたことがありませんので、味の違いはわかりません。今度このオニグルミの実が熟してから、殻を割って食べてみようと思っています。
なお、「ヘーゼルナッツ」といわれるものは、ヨーロッパ原産のセイヨウハシバミ(カバノキ科ハシバミ属)の実で、「ナッツ」とはいうものの、クルミ属の実とはまったく異なります。セイヨウハシバミの樹形も葉も、まったくクルミ属のものとは違います。また、日本に自生するセイヨウハシバミの仲間のハシバミ、ツノハシバミの実も食用になり、時に「ヤマグルミ」と呼ばれることがありますが、セイヨウハシバミのように大規模に生産されることはなく、一般には食用としてさほど馴染みはありません。「クルミ」「ナッツ」といっても、いろいろあるわけですね〜

左の写真は、このオニグルミの木の葉の様子です。葉は、写真が示すとおり、小さい葉っぱが向かい合って羽状を成す形になっており(これを羽状複葉(うじょうふくよう)といいます)、これ全体で一つの葉を作っています。これはクルミ科の樹木に共通の性質です。オニグルミの場合、この羽状複葉は、全長が数十センチに達する大きな葉で、一つ一つの向かい合う小さな葉(小葉: しょうよう)も長さ10-15cmと、これもかなり大きいものです。この葉の裏側には、べとべとした液を出す毛の腺(腺毛)が一面についており、触るとべとつきます。この点は他の羽状複葉の樹木と大きく異なる点です。

これは少し離れた地点から葉の茂った様子を撮影したもの。下から上に、重なり合うように羽状複葉が展開していき、全体として非常に密な茂みを形成します。また、複葉は横に広く張り出します。そのため、この木の下は、広い範囲で非常に暗く、他の植物が育ちにくい環境となっています。しかし、夏の盛りには、格好の木陰として、人々にひと時の「涼」を提供してくれる一面も持っています。


この写真はオニグルミの樹皮の近影です。縦に波打った粗い裂け目が入る、特徴的な樹皮をしています。この部分で、直径50cmくらいあります。ちなみにこの木の高さは、目算で、約6mくらいです。
最後に、このオニグルミの木の下から太陽を望んだ写真をどうぞ...密に茂った葉の間からこぼれる日光が、真夏にもかかわらず、涼やかな雰囲気を醸し出してくれます。とにかくこの木は日光をなかなか通しませんので、人にとってはいい木陰になりますが、植物にとってはこの木の下は育ちにくい場所です。この木の下には雑草の類はほとんど生えていませんでした。時間さえあればこの木の下で、ござを敷いて、ゆっくり本を読んだり、寝ころんだりしてみたいと思っています。
カクレミノ Dendropanax trifidus 2008/08/12

カクレミノはこれらと同じ科に分類される植物で、関東以西に自生する常緑の低木〜高木です。名前がなぜ「カクレミノ」なのかについては諸説あるようてすが、いろいろ図鑑を見てみると、天狗がこれを着ると姿が見えなくなるのだという言い伝えから、こういう名前がついたという説が有力なようです。左の写真は、小金井市緑町の沿道で撮影したカクレミノの花と葉の様子です。ちょうど今頃の夏の盛りに、丸いマリのような形をした花(散形花序といいます)を樹冠いっぱいにつけます。色が地味なので、見過ごしやすいのですが、カクレミノは葉に特徴がありますので(後述)、あらかじめ身近なカクレミノの木を見つけておき、この時期に注意を払って見てみると花に出会えます。

左の写真は、このカクレミノの花を拡大した様子です。きれいに丸く花がついています。これらの小さい一つ一つの花には、雄花と雌花があり、それが混在してこのような丸い散形花序を作っています。ハチなどの虫がやってきて、花粉を媒介します。果実はこのままの形で秋に熟します。
上の3つの写真は、このカクレミノの葉の近影です。葉は互生、単葉。通常はごく普通の舟型をした深い緑色の葉で、基部から先端・周辺部に向かって、三本の脈が明瞭に読み取れ、葉の表面はやや光沢を有します(一番左の写真)。これが、若い木の葉になりますと、舟型の葉のほかに、切れ込みが入る葉も混じるようになります(真中と右の写真)。切れ込みは不規則で、3〜5裂することがおおいのですが、中には一つしか切れ込み入らない、左右非対称の葉もあります。この葉の特徴から、割合容易にカクレミノを見分けることができます。

最後にこのカクレミノの木の全景写真と、木の肌の写真をどうぞ。幹の直径は約15cm、高さ約3.5mの比較的若い木です。木の肌は、明るい灰色がかった褐色で、わりとすべすべしています。深い筋は入らないようです。カクレミノは葉が密につくので、この木の下はいい木陰になって、夏は一休みするのにいい場所です。私もこの木の下で休みながら写真を撮りました。
なお、カクレミノ属は、アジアとアメリカの熱帯地方を中心に、約40種が知られているということです(前出)。もともとは熱帯地方中心の植物グループなわけですが、カクレミノや観葉植物のヘデラは、日本でも関東以西ならよほど冷え込まない限り、戸外で越冬できます。カクレミノは、東京・霞ヶ関ビルの脇の公道沿いに街路樹として植えられていました。また、「カクレミノ」の由来から、神聖な樹とされ、庭園や神社などの境内などにも植えられているようです。街路樹や庭園樹として、かなり利用価値の高い木のようですね。(了)
クリ Castanea crenata 2008/07/27

クリは成木で栄養状態さえよければ高さ15mに達する大木になります。「大きなクリの 木の下で」の名のとおりですね。ただ、最近はクリを栽培するさいに(この栽培は園芸品種ですが)横にながく枝を張るようにわざと剪定するためと、クリを材木として利用することが行われなくなったことから、背の高いクリの木はほとんどみられなくなったそうです(前出P8-84)。
写真はクリのイガが成長半ばの様子を撮ったもの。みずみずしい黄緑色が、とても鮮やかで、一種の気品さえ感じさせてくれます。この写真は、JR武蔵小金井駅北口前から東に伸びる公道沿いで撮影したものです。

左の写真は、このクリのイガが出来る前1ヶ月半ほど先立ったころ、花が咲いた様子を写真に収めたものです。長ーいブラシのようで、ひょろひょろ、ふわっと出ているのが雄花。ちょっとおもしろいですね。雌花は写真では見えませんが
ちゃんと茎についています。これが咲いていると、遠目からもクリの木の樹冠が黄色く染まる様子が見えるので、おっ、クリが咲いたか!! とすぐ分かります。

左の写真は、このクリの葉の近影です。真ん中にテントウムシがとまっています。クリの葉は非常に細長く、横幅が4-5cmなのに対し、長さはゆうに10cmを超えてきます。周囲にはするどい鋸歯があり、この葉の様子はクヌギやアベマキと似ていて、なかなか葉だけで見分けるのは難しい植物の一つです。ただ、クリは鋸歯の先端まで葉緑素があって緑色をしているのに対し、クヌギはそうではありません。アベマキは主に関西以西の植物。したがって、東海以東では、クヌギとクリの見分けさえつけば、おおむね大丈夫かと思います。鋸歯が緑色をしているかいないかで見分ければいいわけですね。なかなか野生的で大胆な葉の姿です。

最後にこのクリの木のイガがぶら下がっている全景写真をどうぞ。これがはじけて、中のクリの実が見えるようになるのは、もうすこし先のこと。そうなりましたら、また写真をアップできればと思っています。なお、よく売っているのを見かける"甘栗"は、中国のクリで、和名アマグリ、学名は Castanea mollissima 。また、洋菓子のマロングラッセの原料になるクリは、南欧で広く栽培されているカスタネア・サティウァ Castanea sativa だそうです(前出P8-85)。クリにもいろいろある、ということですね。
ハナミズキ Cornus florida 2008/06/08


左の写真は、このハナミズキの花・総苞片が、今まさに開こうとしてているところを撮影したもの。くるっと巻いた形のものが開いてきます。なかなかおもしろい咲き方ですね。

左の写真は、このハナミズキの幹の近影です。四角い割れ目が細かくびっしりと入るのが特徴です。模様は縦縞にも横縞にもなりません。全体的にこの細かい割れ目が入ります。慣れれば、花が咲いていないときでもこの樹皮で見分けられます。

最後にこのハナミズキの全景(左)と、白とピンクのハナミズキが混合されて植えられているところを撮影した写真(下左)をどうぞ。ハナミズキは北米原産で、成木の高さは5〜10mに達するそうです。英名は "dogwood" というのだそうで、この樹皮の煮汁で犬を洗うと、皮膚病が治るといわれることにちなんでいるそうです(同上)。樹形は、大きくなると、ミズキと同じように枝が水平に横に張り出し、遠くから見ると、樹の左右に緑の広い"テーブル"がくっついているような、遠めにもわかりやすい樹形になります。

ハナミズキの属するミズキ科の植物の歴史は古く、1億年前の地層からもこの科の植物の化石が発見されているとのことです。また、ハナミズキの属するミズキ属 Cornus は、花の形などに変異が多く、それぞれ異なる属として取り扱われることが従来行われていました。この場合、ハナミズキは、ヤマボウシとともに Benthamidia 属に分類され、ミズキは Swida 属に、サンシュユは Cornus 属に分類される、という具合です。1億年前というと、恐竜が絶滅したのが白亜紀末期の6550万年前くらいと言われていますから、恐竜の時代にはもうすでに繁茂していたということですね。なんとも古代へのロマンを書きたてられる話です。
サクラ(ソメイヨシノ、シダレザクラ(エドヒガン)等) 2008/04/06

この3月末から4月第一週にかけて、東京では ソメイヨシノの花が満開となりました。以下では、小金井市のサクラの表情に絞って、写真とともにリポートしていきたいと思います。
まず、左の写真は、ソメイヨシノの満開の様子です。他のサクラの種と違って大変、密に花が枝につきますね。じっと見上げているとなんだかそのすごさに圧倒されて、ちょっと怖いような気がします。サクラは、一つの花芽から、数個の花を咲かせ、その花も柄がある、と云う点で、ウメと異なります。サクラが沢山華やかに花を咲かせるのには、そうした花の特徴も関係しているように思われます。この写真は、中町・小金井第二中学校に植わっているソメイヨシノを撮影したものです。
左の写真は、二中のサクラを、青空をバックに撮影したもの。花が密について、とても美しいと思いました。ただ、惜しむらくは、二中のサクラは、電線に邪魔されて、遠くから見ると興がそがれてしまうこと。電線の地中化、早くしてもらいたいものです。
続いて、小金井第一小学校前のソメイヨシノの巨木が咲き誇っている写真。全高10mくらいのものです。大変綺麗に咲いていました。ただ、花の密さは、二中のものの方が優っていました。

上の写真二枚は、中町・ジャノメミシン跡地内のソメイヨシノの様子。"花道"になっていて、とても気持ちのいい場所でした。

上の大きな写真は、野川のシダレザクラの様子。この週末に撮影したものです。野川の両岸に、シダレザクラが綺麗に咲いていますね。素晴らしい眺めでした〜

野川のシダレザクラのアップ写真。ソメイヨシノより、少しピンクが強い感じで、なかなかの風趣といえましょう。
シダレザクラの開花前の、雨に打たれている様子と、開花後の写真。場所は旧ジャノメミシン跡地です。蕾が雨に濡れている様子、私は大好きです。
リサイクルセンター敷地端のサクラの大木。2007/7/26に掲載した夏の写真と比べてみると、こんな感じになります。春と夏の装いの違いがドラマチックで、なかなか見ごたえがあります。

最後は、農工大キャンパスの中のソメイヨシノの花のアーチをどうぞ。アーチの長さは全長50mくらいあるでしょうか。これは隠れたサクラ鑑賞の"穴場"かも...どうぞゆっくりご堪能くださいませ〜 (了)
ナンテン Nandina domestica 2008/01/12

ナンテンは庭木としてよく植栽されます。「難を転ずる」ということで、縁起物というわけです。小倉百人一首の選者である藤原定家の日記「明月記」には、すでにナンテンを植栽した記述があるそうです((週間朝日百科「植物の世界」P8-314より))。常緑で、ちょうど12月から正月にかけて、小さな赤い実を多数つけます。茎は根元から沢山細いのが出る「叢生」で、太い幹のものはほとんどありませんが、京都の金閣寺には太い幹のものがあるらしいです(前出)。この赤い実の美しさは格別です。冬の寒い朝に、目に染み入ります。この写真は、我が家の近所に植えられているものを撮影したものです。
左の写真はこのナンテンの実と葉の写真。ナンテンの株は細い茎が四方八方に広がるので、写真では株の全体の容姿はよくわかりません。実と葉が一緒になっているところを撮影しました。花は6月頃に円錐花序に小さなものをたくさんつけます。また6月ころになって花を見つけたら写真を撮りたいと思います。

ナンテンの葉は、左の写真のように奇数羽状複葉です。一枚一枚の小葉は2-3cmと小さいのですが、複葉全体の長さは数十センチになる大きなものです。常緑です。
イチョウ Ginkgo biloba 2007/09/12

日本には6世紀の仏教伝来とともに大陸から渡ってきたとのこと。イチョウは成長が早く、剪定にも耐え、長命なので、街路樹としてよく利用されています。(イチョウは東京都の木でもあります。) 小金井市内に限らず、都内で随所にその姿を見せるイチョウですが、イチョウの歴史とその植物界における特別な地位とを思うと、あらためて古代へのロマンをかきたてられ、深い思索の世界に浸ることができます。私は、イチョウの紅葉も姿形も好きですが、春にやや遅くなってから葉を付け出す、その頃のイチョウの葉の色合いが特に好きです。まだ小さな明るい初々しい黄緑色のイチョウの葉っぱが、まばらにたくさん出て来て、明るい茶褐色の木肌や枝を飾りたてる。その姿はほんとうに素晴らしい。都会のオアシスを提供してくれているといっても過言ではないでしょう。
左の写真は農工大小金井キャンパスの正門左脇に植えられている大木を撮影したものです。正門を飾るにふさわしい、堂々とした円錐形の姿をしています。

農工大小金井キャンパスにはイチョウ並木もあります。左の写真のように堂々たるもので、正門から北にまっすぐ100mくらい、イチョウ並木になっています。秋にはこのイチョウが黄色に美しく染まりつつ落葉し、冬の訪れを告げてくれます。右の写真は正門脇のイチョウの木肌。縦に不規則な波型の割れ目が入ります。木肌の色は明るい茶灰色です。
ケヤキ Zelkova serrata 2007/08/12

左の写真は農工大キャンパス内のケヤキの木のうちの一本の全景。農工大キャンパスにはケヤキがいっぱい。東門から西門に貫く道路はケヤキ並木になっていますし、その他の場所にも沢山ケヤキの木が見られます。中には、種子から芽吹いたとおもわれる若株がひょっこり地面から顔を出していたりして、興味は尽きません。詳しくは後日「農工大訪問記」としてご報告しますね。

左の写真は、東町と中町の境をなす"東大通り"のケヤキ並木です。雨の日に撮影したので曇っていますが、なんともいえない懐の深さを感じさせる並木道です。このケヤキがもっと育って、アーチ状に道路を覆ってくれるようになるとよいのですが...秋の紅葉はこれまた素敵ですので、また写真をupします。


左側の写真は、前述の東大通り沿いのケヤキの葉の近影です。葉の基部は卵型、先に行くに従って徐々に先細りになる、"プロポーション"の美しい葉形です。また、鋸歯は単鋸歯で、葉の先端方向に向かってちょっとカールするような形になっています。
右側は、ケヤキの樹皮。若いうちは、明るめの灰色で、裂け目もほとんどなく、滑らかな肌をしています。大きく成長するにしたがって、樹皮が剥げたり、横方向にしわが寄ったりしますが、それでも大木にしては"お肌"が綺麗。なぜ、樹木によってこうも肌の様子が違うのでしょうか? また今度調べてみたいと思います。
モミジバスズカケノキ Platanus acerifolia 2007/08/04

左の写真は中町のリサイクルセンター前の大木を撮影したもの。高さ10mはあります。モミジバスズカケノキは、イチョウと並んで、大変よく用いられる街路樹です。剪定に強く回復力が旺盛なのと、まっすぐ成長するのが街路樹に用いられやすい理由でしょう。また街路樹に用いられているところが小金井市内にあったら、写真をアップします。

上左の写真の中の丸い、ぶら下がっているのが実。なかなかかわいらしいぽんぽりのような実ですね。
上中の写真は葉を撮影したもの。互生で、密集して付きます。大きさは長さ20-30cm、幅20-30cmと、結構大きいです。
上右の写真はこの木の地上1.5m付近の樹皮を撮影したもの。地は緑がかった白で、鱗片状にはがれて、その後が緑色や茶色になります。これがこの種の特徴です。スズカケノキも同様にはがれますが、アメリカスズカケノキはこうはなりませんので、その点で見分けがつきます。
ハンカチノキ Davidia involucrata 2007/08/01
これが大木となって白い"ハンカチ"が出るのは5月上旬頃。左の写真は、本町の第一小学校前のハンカチの並木道(公道)に植えられている一本のうち、比較的大きく育ったものを撮ったものです。高さは3mくらいでしょうか。ここ数年、花が咲いて"ハンカチ"が出るのを今か今かと待っているのですが、残念ながらついぞお目にかかったことがありません。まだ花を咲かせるには若すぎるのでしょうか。東京都の小石川植物園にはこれの大木があって、毎年ハンカチが出るとそれを見に客がどっと押しかけます(→小石川植物園のハンカチノキの"ハンカチ"の写真はこちらをクリック)。なお、この植物を発見したのはフランス人神父のアルマン・ダヴィドで、彼はジャイアント・パンダなども西洋に紹介しています(前出)。
この第一小学校正門前の公道は、ハンカチノキが街路樹として植えられている珍しい場所です。"ハンカチ"が出るようになれば都内でも屈指の植物名所になるのではないかと思いますが、そうなるまでにはまだ大分時間がかかりそうです。

葉は互生で、長さは20cm、幅15cmくらいの中型、鋸歯があり、太目の葉脈が放射状にくっきりと見えます。また。各主脈から、ほぼ平行に細かく側脈が出ているようすも写真からお分かりかと思います。"ハンカチ"も葉と同じ位の大きさなのですが、残念ながら私個人で小金井市内で撮影した写真はありませんので、ここには掲載いたしません。来年は"ハンカチ"が出ることを期待しましょう。

樹皮は灰白色で、ぽつぽつと横縞のように小さな隆起が入ります。一見桜の肌に似ていないこともないな、と思います。左の写真はちょっとピントがずれていてシャープでないですね。またシャープな写真をアップしたいと思います。
エンジュ Sophora japonica 2007/07/30
エンジュは街路樹として良く利用されています。7月から8月にかけて、黄色がかった白い花を穂状につけます。その花びらが散った後、道路上はまるで春に桜の花が散ったあとのように、小さな花びらで埋め尽くされます。遠くから花の咲いたエンジュの木を見上げると、まるで緑色の木にふわふわした黄白色の霞がかかったように見えて、あまり目立ちませんが、とても風情があります。
マメ科の特徴として、エンジュの葉は羽状複葉です。一つ一つの小葉は長さ5〜6cmで、5〜9対ほど(10対以上あるのはこれまで見たことがありません)。同じマメ科ですが違う属で、これもよく見かけるハリエンジュ(ニセアカシア、または単にアカシアと呼ぶこともあるが、本物のアカシアとは異なります)の葉も羽状複葉で、小葉の長さ形も極めて似ているので、花が咲かないと違いが分からないことがよくあります。ちなみに、エンジュの花は上向きに穂がでますが、ハリエンジュは下向きに穂がでます。エンジュの花は黄色がかった白で、ハリエンジュはほぼ白。エンジュの穂は、遠目に見てハリエンジュより細かく、繊細でまばらに付くので、花さえ咲けば違いが簡単に見分けられます。
(左の写真:葉を下から撮ったもの)
(右の写真:花を下からアップしたもの)
樹皮はやや明るめの灰色で、裂け目が縦に不規則に入り、ごつごつした感じを呈します。写真は左が高さ15mほどの株の樹皮、右が高さ5mほどの若い木の樹皮を、それぞれ高さ1.5mのところで撮影したもの。左側の写真の木の右側半分には緑色のコケが生えていて、この株の古さをしのばせてくれます。なお、ここに掲載した写真の株は、中町のある街角で公道沿いに植えられていた株を撮影したものです。エンジュは実が数珠のようになって垂れ下がるので、秋になったらまたその写真をアップします!
キリ Paulownia tomentosa 2007/07/29

キリは清少納言の「枕草子」にも、「桐の花、紫に咲きたるはなほをかしき」と書かれて、古くから親しまれてきた木。ただし、日本固有種ではなく、中国原産です。キリは軽くて寸法に狂いが少ないので、家具などによく利用されてきました。私の祖父の家にも大きな桐箪笥が二つもありました。その重厚さに、子供ながら「すごい箪笥だなあ」と思ったものです。
ちなみに、桐の御紋は、後醍醐天皇の時から。後醍醐天皇が、足利尊氏に桐紋を送って、それ以来広まったそうです(前出)。後に豊臣家も桐紋を採用していますよね。余談ですが、南北朝時代の足利氏の紋は丸に二本の横棒。これが丸に一本の横棒となると、新田義貞の紋となります。足利尊氏と新田義貞が戦った時には、「釜蓋と鍋蓋の戦い」と庶民にいわれたと、小学校の歴史の時間に習った覚えがあります。左の写真は、緑町踏切の近くの公道脇で撮影したもの。高さ7〜8mはあります。
左の写真は葉のアップ。葉は全体的に卵形をし、浅く切れ込みが入るときもあります。先端はとがります。アオギリとは種別上の類縁関係はないようですが、このキリの葉もでかい!! 全長・全幅とも30cmはあって、壮観です。冬には茶色に変色し、落葉します。この紅葉の姿も、アオギリ同様、美しいとはいえません。
右の写真は樹皮の近影。白っぽい灰色をしています。写真では、昔に枝を剪定した跡が映っています。この樹皮の色や肌合いと葉とをあわせて観察すれば、キリだと容易に分かります。なお、花期は5月。来年撮影します。乞うご期待!
アオギリ Firmiana simplex 2007/07/29

アオギリは日本では九州以北で唯一自生するアオギリ科の木。樹皮が目立つ青緑色で、キリと同じように材木として利用されます。落葉高木で、とにかく葉が大きい、でかい!! 全長・全幅ともに30cmはゆうにあります。こんな大きな葉が、秋には全部散ってしまい、冬には文字通り丸坊主になってしまうのです。春になると、また勢い良く葉をつけ出し、初夏にはまたふさふさとした樹姿となります。
アオギリは日本では夏の季語ですが、中国では"秋の訪れを代表する植物として詩歌によく現れ、ものの衰えの兆しにもたとえられた"そうです(前出P7-116)。左のアオギリは、緑町踏み切りの近くの公道脇で撮影したものです。毎年、この木が春に葉をつけるのを観るのが私の楽しみの一つです。

上左の写真は葉を下からアップで撮ったもの。葉は全体的に手のひらの形のように切れ込みが入ります。葉柄もながく、これ一枚折り取れば、夏の暑い日の臨時の「日よけ傘」または「うちわ」になりそうです。冬には茶色に変色してくしゃくしゃになり、落葉します。この紅葉の姿は、お世辞にも美しいとはいえません。
上中の写真はちょっと離れた所からのもの。アオギリは葉が密生します。
上右の写真は樹皮の近影。くすんだ青緑色をしています。裂け目はあまり入らず、比較的滑らか。葉の形とこの樹皮の色や肌合いとをあわせて観察すれば、アオギリだと容易に分かります。
カリン Chaenomeles sinensis 2007/07/29

葉は細かい鋸歯があり、触ると厚くて硬い感じがするのが、サクラと違うところです。また、中心の葉脈を境に、両端が内側に折れ曲がる感じにカールします。葉全体は若干反り返ります。葉の全長は5-6cmくらい、その点はサクラとあまり変わりありません。冬には落葉して、黄色い実がたわわに実ります。(その写真、ご期待ください!)
ここに掲載したのは、ジャノメミシン跡地の一本。樹齢は不明ですが、秋には毎年実を沢山降らせてくれます。子供達がその実でキャッチボールをして遊んでいる光景が見られます。右側の写真はこの株の全景です。
サクラ(ソメイヨシノ) Cerasus yedoensis 2007/07/26

ここに掲載したのは、小金井市リサイクルセンター前の巨木二本。樹齢はもう数十年でしょう。
メタセコイア Metasequoia glyptostroboidesc 2007/07/21

もともとメタセコイアの球果(マツボックリ)や枝葉の化石は出土していたので、絶滅種と思われていたのが、1941年に中国・四川省の磨刀渓村で成木として発見され、1946年にメタセコイア属の一種として報告されまして、「生きた化石」として一躍有名になったとのことです(週間朝日百科「植物の世界」P11-218より)。今ではその美しい円錐状の樹形から、多くの苗木が各地で植えられ、街中でも普通にみられる木となっています。ここに掲載したのは、上が2004年春に撮影のもの、下が2007年6月に撮影のものです。同じ木ですが、2本のメタセコイアが並んでいる姿は壮観です。撮影場所は、ジャノメミシン跡地です。

また秋に球科をつけたら、写真をupしますので、ご期待下さい!!