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アサガオ Ipomoea nil は、ヒルガオ科 Convolvulaceae 55属約1500種のうちの一種です。もともとの原産地は、中国から東南アジアにかけてと推定されているとのことですが、確実なことは今もわからないようです。日本では、古くから鑑賞の対象であると同時に、小学1年生の理科の実験でおなじみの種です。大輪で可憐な色合いを見せる花と、育て安さ、成長の早さとが、こうした鑑賞と実験の両方の対象となった原因ではないでしょうか。 クチナシ Gardenia jasminoides は、アカネ科 Rubiaceae 約500属6000種に及ぶ大型の科のうちの一種です。アカネ科は、日本には25属約80種が知られており、その大半は草本ですが、このクチナシは常緑の木本(低木)です。高さは1-2mになり、生垣などに使われることもあります。クチナシの花は初夏から夏にかけて咲き、白色で、花弁は細長いのが6枚つきます。我が家で育てているのは一重咲きのものではなく、八重のクチナシで、それも花の小さいコクチナシ Gardenia jasminoides var. radicans の八重咲き品種の"ヤエコクチナシ"です。左の写真は開花して間もない花を撮影したもの。濃い緑色の葉に、白い花がとても映えています。この花は3日くらい経つとだんだん黄色→茶色に変色し、最後はカラカラに枯れて地上に落ちます。香りがなんとも言えない甘い香りで、この匂いを嗅いでいるととても癒されます。 オリヅルランChlorophytum comosumは、もともと南アフリカ東部の林の中に自生する植物で、根元から緑の地に白く長い縦縞の入った葉をこんもりと茂らせます(ただし、原生種の葉には白い縞模様はありません)。日本でも園芸植物としては昔から栽培・販売されており、ごく自然に鉢植えなどで売られているものですが、我が家の近くの園芸店ではついぞ見かけたことがありません。あまりにメジャーなので、誰も注意を払わなくなってしまったのでしょうか。
ゼラニウムGeraniumはフウロソウ科 Geraniaceae テンジクアオイ属 Pelargonim の植物を交雑して作出された園芸品種の一般名称です。主に南アフリカ原産のペラルゴニウム・ゾナレや、ペラルゴニウム・インクィナンスなどといった自然種から作られたとのことです。一般にホームセンターの園芸植物売り場や花屋さんで売っている「ゼラニウム」は斑紋のある葉、高い花茎と大きく美しい花などが特徴ですが、これらの特徴は、上記の自然種の遺伝子を引き継いでいることの証左です。(以上朝日週間百科「植物の世界」P3-166より。)
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日本には、奈良時代に中国から渡来したものと考えられています。最初は中国での名前にならって「けにごし」(牽牛子)という名で呼ばれ、薬草(種子をすりつぶして下剤の漢方薬とする。今でも行われている)として栽培されていたようです。その後、平安中期に至って、古今集に「けにごし」の歌が出てきて、鑑賞の対象に変わっていったであろう事が伺えるとのことです((週間朝日百科「植物の世界」P2-291より)。万葉集で歌われている「あさがほ」(朝貌)は、今のアサガオではなく、現在のキキョウではないかという説が有力だそうで、後に花の見栄えの良く朝に咲く今のアサガオの方が「あさがほ」にふさわしいとして次第に置き換わったのではないかと。このような、「名称考」については、私は深いことは一切存じ上げませんので、図鑑の説明を聞いてなるほど、と思っているだけですが、この説明には"さもありなん"、と思いました。キキョウの花よりも現在のアサガオの方が、「アサガオ」という名によりふさわしいような気が確かにしますね。これらの写真は、実家でアサガオを2種混植してあんどん仕立てにした株の花の写真を掲げたものです。大輪の花を沢山咲かせるには、肥料が欠かせません。


アサガオの蕾と(左)、咲いたあとの種の様子(右)。アサガオは、5枚の花弁が合着してろうと状になっています。蕾の写真、焦点距離を間違えてしまい、ぼやけてしまいました。失礼しました。蕾は大体2-3日前から形成され、急速に大きくなって、朝日の出るころに開きます。早いときでは昼過ぎにはしぼみますが、長いときには夕方頃まで持ちこたえる場合もあります。
花が咲いたあとには種子ができます。この種子の殻の中に、黒い種子がいくつか入っており、これを翌年に播くと、また朝顔の花が楽しめます。ただ、私自身は種子を取って再度翌年に植えるという作業をしたことがありません。もし、買って来た株が、園芸用の交配種第一世代(F1)の種であるならば、その種子はF1の形質をそのまま顕すことはせず、F1の親種の形質を反映することになりますので、買って来た株と同じ花が咲くことにはなりません。この点は私は業者に尋ねたこともないので不明です。今度実際に種をとっておいて試してみようと思います。

左は朝顔の葉の近影。長さ5-8cmくらいの中型の葉となります。写真のものは、斑入り種ですが、形は普通の緑色の種と同じです。大きく切れ込みが二つ入るのが特徴です。この点、同じヒルガオ科のヒルガオ、コヒルガオとは、大きな違いを示しています。全体に毛が密生し、さわるとざらざらした感触がします。
最後にこの行灯仕立ての株の全景写真をどうぞ。2種が混植されている様子がおわかりいただけると思います。ちなみに行灯仕立てという形は、江戸時代から大阪を中心に発達した栽培形態だとのこと。江戸時代から明治時代にかけて、アサガオは沢山の園芸品種が作られ、市中に出回るようになりました。また、仕立て方も、写真の行灯仕立てのもの以外に、一輪だけを残して栄養を集中させ、大輪を咲かせるようにする「盆養切り込み作り」、一度に沢山の花を咲かせることを競わせる「大輪数咲き作り」などがあります(同上2-292-293)。
日本の風物詩としてすっかり一般に溶け込んだアサガオ。まさに夏の花の代名詞といえましょう。(了)
クチナシ Gardenia jasminoides 2008/07/15


クチナシの葉の近影です。葉は舟のような形をしていて細長く、先端はとがり、新芽は黄緑色ですが、すぐに濃い緑色になり、葉脈がはっきりと見えます。光沢があって、なかなか葉だけでも鑑賞に耐える木だと思います。実は、アカネ科の中の仲間に、コーヒー豆を取る木、すなわち"コーヒーの木" Coffea があります。たとえば、エチオピア原産のアラビカ種のコーヒー Coffea arabica などが有名ですね。コーヒーの木は時々園芸店でも観葉植物として売っているのですが、その葉はクチナシより一回り大きく、クチナシに似て細長い舟形で先端がとがり、縁はわずかに波打ち、葉脈がはっきりしています。クチナシの葉の縁は波打ちません。コーヒーの木がそうであるように、アカネ科の植物はそのほとんどが熱帯原産です。クチナシももとは熱い気候を好むようで、自生は本州の静岡県以西に限られています(同上)。ただ、東京なら、よほど冷え込まない限り、鉢植えのまま越冬できます。


左側の写真はクチナシの蕾の近影、右側は幹の近影です。幹といっても直径わずか1cmに満たない細い若木なので、樹皮に特徴らしい特徴は見出せません。明るい茶色と灰色の中間色をしています。幹の途中からも葉を出して、どんどん葉が生い茂ります。実は、この写真の株は、昨年、青虫の大被害をうけて丸坊主にまってしまい、現在は回復の途上にあります。でも、今年はちゃんと花をさかせてくれました。蕾がついてから開花までは2週間くらいかかるようで、なかなかすぐには花開いてくれません。その間、水遣りなどを忘れると咲かずに終わってしまいます。クチナシは毎日の手入れが必要な植物なのですね。
写真ではお見せできませんが、クチナシという名前は、実が避けず、「口が無い」ことから付けられたといわれます(同上)。将棋盤や碁盤の脚は、クチナシの実をかたどっていて、これは対局中は無言(口無し)でいるべきだということから、来ているようです。実は冬に赤く変色し、飛鳥時代から黄色の染料として使われ、いまでもきんとんとかたくあんの黄色を出すための着色料として使われています。
オリヅルラン Chlorophytum comosum 2008/06/15

オリヅルランは、ユリ科 Liliaceae オリヅルラン属 Chlorophytum の一種です。"ラン"と名づけられていますが、シンビジウムとか、オンシジウム、カトレア、胡蝶蘭のようないわゆる"ラン"では全然ありません。現在は一応ユリ科に分類されています。オリヅルランは、ラッパ状の花と球根を持つユリとはなんだかかけ離れた姿・形ですが、ユリ科とその上位分類であるユリ目(もく)というのは、非常に広い範囲の植物を包含しており、それぞれに姿・形・植生も異なるものが多く、分類学上もいろいろと議論があって、学者の間でも完全な分類体系はまだ定まっていないようです。(このホームページでは、1988年に発表されたクロンキストの分類体系に従っています。) 写真は、我が家で栽培しているオリヅルランの葉の写真。10鉢ほどあるものを一箇所にまとめて撮影しました。なかなか見ごたえがある、新鮮な葉の色・つやだと思います。私のお気に入りの植物の一つです。

左はこのオリヅルランの花の近影です。一つ一つの花は小さく、直径5mm-10mmほどです。星型の白い花弁を開き、中に黄色い雄しべが見えます。この花は一日でしぼんでしまいます。いろいろ試してみると、オリヅルランを半日陰で育てると、こういう花がたくさん咲きやすいようです。

左はこのオリヅルランの花がたくさんついているところを撮影したもの。葉の根元から、ランナー(走出茎)という茎を伸ばし、その中間に小さな花をつけます。このランナーは、小さい株でも、長さ50cmにも及ぶ長大なものになります。これも半日陰で育てますと、このようなランナーを盛んに出すようです。

左はオリヅルランのランナーの先端に、新芽がついている様子を撮影したもの。小さい葉がいくつも出て、新芽を形作っています。この新芽の様子が、折鶴に似ているので、オリヅルランという名がついたようです(以上、週間朝日百科「植物の世界」P10-90より)。この新芽は、はじめは直径1cmくらいの小さなものですが、放っておくとどんどん成長して大きくなり、根も出てきます。そこで、この部分を切り取り、新しい用土に植えておくと、そこから成長してほどなく立派なオリヅルランの株が一つ誕生、ということになるわけです。

我が家のオリヅルランを一箇所に勢ぞろいさせて撮影してみました。オリヅルランは、最初は一鉢だけだったのですが、ランナーにつく新芽を植えることで、大小あわせて10鉢くらいに増えました。これからどれだけ増やせるか、スペースのある限り挑戦してみたいと思います。
ちなみに、オリヅルランは土質をあまり選ばず(水はけが良い土の方がいいようですが)、東京の冬の戸外の寒さにも耐える、頑健な植物ですので、比較的栽培しやすいと思います。
ゼラニウム Geranium 2008/06/04

もともと「ゼラニウム」というのは、フウロソウ科フウロソウ属 Geranium の学名を英語読みしたもので、ここで取り上げているゼラニウムとは属が違うのですが、テンジクアオイ属がかつてフウロソウ属に入っていた(分類されていた)時代の名残りで、このゼラニウムという呼び名が(分類学的には間違っているのだが)そのまま民間で定着してしまったということです(同上)。学説で間違っている名前がそのまま巷で流通してしまう例は結構ありまして、それで日本の近代植物学の父とも称される牧野富太郎は、著書(「植物一日一題」(ちくま学芸文庫)等)の中で、「馬鈴薯はジャガイモではない!!」とか、「ユリは百合ではない!!」とか、いろいろ大声を上げて叫んでいるわけですが、なかなか彼の力をもってしても、巷の間違いは直りませんね。このゼラニウムも牧野氏は「ゼラニウムはGeraniumではない!!」と絶叫されるのでしょうか...??
左の写真は、我が家のベランダで2002年から栽培しているものです。非常に丈夫な植物で、夏の日照りと高温、冬の零下の気温と寒風にも耐え、多少水遣りを忘れてもへこたれませんので、私のような無精者にはうってつけの植物です。適当に肥料をやりますと、春先から秋ごろまで、つぎつぎと花を咲かせてくれます。 花の色は、一番オーソドックスな朱色と白色。今年も紅白の花を咲かせてくれました。


左はこのゼラニウムの花の近影です。紅白それぞれ一枚ずつ近影を撮りました。花は、長い花柄(かへい)の頂点に、10-20個が密集してつきますが、そのうちの一つをアップして撮影したものです。花の直径は、写真のもので約4cm弱、花弁の数は5枚。一重咲きです。これが、八重咲きのものや、斑入りの園芸品種も売っていて、それらは「ゼラニウム」というよりも「ペラルゴニウム」という名で売られていることのほうが多いようです。これらは主に先に申し上げたペラルゴニウム・ゾナレの特徴を引き継いでいるものです。日本には江戸末期に渡来し、明治末期と昭和初期に流行したのだそうです(同上)。私もピンクと白の入り混じった八重の「ペラルゴニウム」を買って育ててみたいと思っています。

左はこのゼラニウムの葉の近影。ふちは先の丸い鋸歯(きょし: ぎざぎざのこと)で縁取りされ、葉の中心から同心円状の丸く濃い斑紋がついています。この斑紋が強く現れるか、弱く現れるかは、株によって異なります。我が家のゼラニウムの場合、朱色の花のゼラニウムは斑紋が強く現れますが、白色のほうの株にはあまり強くは現れません。
なお、ゼラニウムは枝を折って、それを土に挿しておく(挿し木)と、そこが根付くので、簡単に増やせますが、とにかく繁殖力旺盛なので、我が家では増やすと場所がなくなってしまいます。一度増やしたことがありましたが、水遣りを忘れて枯らしてしまいました。でもちゃんと根付くことは確認できました。また機会があったら、挿し木で増やしてみたいと思います。

最後に白のゼラニウムのつぼみの写真をどうぞ。白い毛がふわっとついていて、白色が際立っています。きれいな写真が撮れました。これからぐっと首をもたげて開花します。